野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

インテルメッツォを編曲することにした

Tom Johnsonの「Other Harmony -beyond tonality and atonality」を読了。数年前、ロンドンで作曲家のマイケル・パーソンズの家に泊まった時、彼の本棚にあった本。ぼくが興味を示していたら、「持って行っていいよ」とプレゼントされた。

 

アメリカ出身の作曲家、パリ在住の作曲家トム・ジョンソンは数学的思考とシンプルな作風で知られる。システマティックに数の組み合わせ、音の組み合わせを、数学的な方法で抽出して、和音を生み出していく。今回、彼の本を読んだことは、直接的には「メシアン・ゲーム」の作曲に反映されたわけではないが、数列や組み合わせやパズルやハーモニーについて、数独のようなゲーム感覚で触れる楽しい時間だった。

 

本来であれば、今は香港にいるはずだった。今日から、コミュニティ音楽に関する国際会議に参加する予定だったが、延期になったので、京都にいる。香港のみんなに会いたかったなぁ。

 

「DVがなくなる日のためのインテルメッツォ(間奏曲)」(2001)を、サックス五重奏に編曲して、ポーランドのアリーナに送ることにした。というのも、彼女の学生たちが、ぼくの「インテルメッツォ」がとても美しいと、本当に気に入ってくれていたのと、アリーナにワルシャワで本当にお世話になったので、お礼の印。サックスのアンサンブルって初めて書くので、いろいろ面白い。原曲は、シャープ系で、サックスに向くキーでもないので、調は変えてフラット系のキーにして書くことに。

 

ピアノの練習中。3月28日に豊中世界初演する「迷惑な反復コーキョー曲 Beethoven 250」と、4月12日に名古屋で演奏する「オリヴィエ・メシアンに注ぐ20のまなざし」など。