野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ズーラシア

東京芸大で、弦楽四重奏のリハーサルに立ち会う。3月22日に横浜みなとみらいホール世界初演になるぼくの新曲「アートサーカス」、「ズーラシア」。この2曲の作曲プロセスについては、散々、このブログで書いてきたので、その辺を読んでください。

演奏は、松原勝也さん、鈴木理恵子さん、井野邉大輔さん、安田憲一郎さんの4人。高度な技術と柔軟性と表現力を全て兼ね備えているクラシック音楽の弦楽器奏者4人からなる超豪華な弦楽四重奏です。

まずは、「ズーラシア」の演奏。今日が初合わせ。6つの曲からなるこの曲は、それぞれの楽章のキャラクターがはっきりしている分、演奏も取り組みやすく、

フンボルトペンギン」の演奏を聴いただけで、もう楽しくて仕方がありません。メチャクチャ面白いです、この曲。作曲者ですら、笑えてきます。

シロフクロウ」、「テーマとなんちゃって変奏」、「エミュー」、「セスジキノボリカンガルー」と全く違ったタイプの曲が、全く違った音楽として次々に立ち現れてくるので、楽しくって楽しくって仕方ありません。

「レェロレロ」という双六のような譜面(または、雑誌なんかによくあるイエス、ノーで矢印を選んでいく性格診断のような譜面)の曲が、多分、こんな音になるだろうな、と想像していた通り、いやそれ以上に、初合わせの段階で面白かった。あのパッと見ると甚だ適当でいい加減に書いてある譜面で、以外に工夫されているな、と自画自賛。と同時に、こんないい加減な譜面を楽しんで演奏してくださる演奏家の皆さんに大感謝。

「アートサーカス」の方が、どういう音楽にしたいのかが分かりにくい部分が多いだけにまだまだこれから、という感じがしましたが、多分、アートサーカスは何度も回数を演奏していくと、どんどん身体に音楽が入っていって、最後にはすごく勢いのある演奏になるだろう、という兆しが見えました。

3月22日のコンサート、皆さんお見逃しなく。絶対お薦め!超お薦め!しかも、休憩時間には、ロビーで映像作品「ズーラシアの音楽」も上映する予定です。アリクイが鍵盤ハーモニカを演奏する映像も見られますよ。

ちなみに、3月17日の松原勝也さんと野村誠による対談(北仲WHITEにて)まだまだ余裕がありますので、予約なしで当日直接会場に来られても大丈夫なようです。入場無料ですし、皆さん、足をお運びください。