野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

19年越しの呉ライブ

呉に行く。呉こどもNPOセンターYYYの企画で、あいのてさん(尾引浩志片岡祐介野村誠)コンサート。今回の公演に至る経緯は、19年前に遡る。19年前の日記はないが、11年前(2008年11月21日)の日記より

 

広島の呉にて。
ツキイチ即興ナイトの8回目に参加。これまでは、寺内大輔さん、三宅珠穂さんが交互につとめてきた案内人を、今日は、ぼくがやりました。

会場はPlan U、鍼灸師の橋本さんが1年前から始めたスペースです。
寺内君の友人の作曲家のキムジョンヒさんが韓国から参加、オランダ留学中の友人というヴィオラのサトコさんも、福岡から参加。遠方から駆けつける人もいました。

さらに、ワークショップに参加した人の中には、

2000年に、芸団協のシンポジウム(太宰久夫さん、如月小春さんが、ご一緒でした)で、ぼくの話に感銘を受けて、ずっとあの人に会いたい、言い続けていたという「呉こどもNPOセンター」の方がいて

仲間を引き連れてきてくれたり、

2001年の東京オペラシティに「タコとタヌキー島袋野村芸術研究基金」の事務所を開設する、という展覧会をした時、当時学生で、ぼくに話しかけたという廿日市にある美術館の学芸員の方も、来てくれました。

7、8年前に、自分が言ったこととかが、その人の中で続いていて、こうやって再会するのは、不思議な気持ちです。

 

19年前のシンポジウムを見て、野村の話に感銘を受けて、会いたいと言っていただいた方が、8年後に呉でのワークショップに参加して下さり、それからさらに11年後に、呉に招聘して下さった、という19年越しでの計画でのコンサート。

 

小さな子どもがいっぱいいるけれども、中学生や高校生もいっぱいいて、大人も高齢者もいる観客席は超満員。楽屋にあった紙コップがいい音がするので、これを持って登場するところから始まり、壁を叩き、机を叩き、足を踏み鳴らし、手拍子をし、「もしもし」と電話を始めたり、ペットボトルを叩いたり。子どもが「パパ」と言う声を大人が止めようとするので、みんなで「パパ」という曲をして、様々な「パ」を言っているうちに、「パンツ」になった。そこから、「黄色いパンツ」、「赤いパンツ」などと子どもたちが、叫び出し大合唱。子どもたちは、パンツが楽しい。その後、あいのてさんのレパートリーもメドレーで演奏。石、風船、レジ袋など演奏。「音のためならーーー、あいのてさーーん、でした!」

 

ということで、濃密なライブ。空想上の楽器の絵を描く中1や、野村のことなどをネットで調べて詳しい中1などとも終演後話すことができて、いろいろ現在の若い方々は情報にアクセスしやすいから、どんどん深めることもできるし、それぞれの個性や好みを伸ばしやすいのだろうなぁ、と思った。

 

また、呉に来たいなぁ。