野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

同時多発ワークショップ

鳥取での合同ワークショップ。朝日新聞の取材が入る。取材記者の人も、ワークショップの一部になって、みんなで新聞記事のためのキャッチコピー、このプロジェクトを新聞記事にするなら、なんという見出しがいいのか、見出し文を考えて言い合う。

 

その後、移動演劇の回遊コーナーを、今あるピース以外に、またまたみんなで即興で作って、それを即興でガイドツアーしてみる。完成度が高くなってきて練り上げている時期に、またまたクリエーション。明らかに、みんなの即興力が高まっていて、参加者の方々の個性や面白さが、どんどん面白く滲み出ていて、今日もいっぱい笑ったり喜んだりした。

 

午後には、鳥取市交響楽団のメンバーが合流。弦楽合奏が加わる。出演する予定だった中国からの留学生ヴァイオリニストが急遽出られなくなり、代役で別の語学留学ヴァイオリニストも登場。ヴァイオリンとチェロとピアノに、昨夜、急遽クラリネットパートを書き足した。メシアンが捕虜収容所で書いた四重奏と同じ編成にすることで、宮沢賢治ヨハネの黙示録も繋がってくる。実際には、これに合唱もトッピングされるし、演劇やダンスもトッピングされる。

 

例によって同時多発ワークショップ。演劇とダンスと音楽のワークショップが同時に行われる。これが偶然に出会うと面白い。ジョン・ケージの音楽とマース・カニングハムのダンスが、偶然に出会うように、演劇とダンスと音楽が偶然出会う。ケージとカニングハムの場合は、お互いに相手に反応せずに、無関係の関係の偶然の重なりあいだけど、こちらは、偶然の出会いから、時々、反応したりもする。突然、相互作用が生じたりするところが面白い。

 

夜は、美術家の藤浩志さん主導で進んでいる美術部室へ。スタッフも出演者もみんな美術部員になって、衣装や舞台美術を創作中。楽しい溜まり場になっていて、どんどん色々な物ができていく。すごーい。