野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

シルヴァンと瓦のつながり

「妖怪ケマメ」の公演を、明日、明後日に控えているのだが、野村が生演奏で加わるのは、この2日間4公演のみ。それ以降は、音楽は録音で流れるので、本日、野村が生演奏する楽曲のレコーディングを行った。本番前にレコーディングをするのは大変ではあるが、本番に向けて練習にもなる。無事、レコーディング終了。一緒に音楽を担当しているシルヴァン・ケモンが録音エンジニアもしてくれた。

 

シルヴァンによると、野村と仕事をするのは、非常にリラックスしてできるとのこと。彼曰く、ぼくは楽譜にかっちり書いて音楽をすることもできるし、フルクサスのような実験的なこともできるし、アマチュアの人とも音楽ができるし、色々な状況に対応できるオープンさがあるから、一緒に仕事する上でストレスがない、と言ってくれる。嬉しいことだ。そんなシルヴァンこそ、非常に色々なことに開いている音楽家だ。なんでも、もともと美術を勉強していて、映像とかから音楽に入っていったらしい。それに、お母さんがダンスの先生だったらしく、音楽だけでなく、美術も映像もダンスも理解できる懐の広さは、その辺にあるのだな、と思う。

 

そして、驚いたことに、シルヴァンが自身のキャリアの最初期にやった仕事が、フランスの瓦工場での音楽会で、エレクトロニクスを担当したらしいが、打楽器奏者が瓦を演奏したり、そこにヴィオラダガンバやコントラバスや様々な楽器が加わったとのこと。だから、今回、瓦が出てきて、シルヴァンの個人史とも繋がったらしい。もちろん、その時の瓦の音は今回の音とは全く違う音らしいけれども。

 

そして、いよいよゲネプロ(本番想定のリハーサル)を行った。劇場の職員の方々など観客として観ていただき、本番さながらの感じで実演できて、いよいよ明日の初日に準備万全。ゲネプロで大きな事故が起こらずにスムーズにいったので、逆に明日の公演は気を引き締めて臨みたい。

 

明日、明後日の公演、チケットはほぼ完売のようだが、当日券がないとは聞いていないので、当日券もおそらくあると思われます。

 

誕生日を迎えて51歳になりました。これからもよろしくお願いいたします。