古典的なクラシック音楽がある一方、新しい表現を追求する現代美術があり、
古典的なクラシックサーカスがある一方、新しい表現を追求する現代サーカスがあり、
古典的なクラシックジャグリングがある一方、新しい表現を追求する現代ジャグリングがある。
フランスで盛んな現代サーカスは日本でも時々紹介されている。現在、ぼくが音楽を担当している「妖怪ケマメ」は、まさにコンテンポラリー・ジャグリングの新作だ。現代ジャグリングという新しい分野の日仏の気鋭のアーティストのコラボというレアな現場に魅力を感じて、この仕事を引き受けた。こういう未開拓領域の仕事は、大好物。
照明を担当するアルリックは、ほかにも現代サーカスの照明の仕事をしていて、la main s'affaireというサーカス団の動画を見せてもらう。これが、その動画。
今回のメインジャグラーの一人、ギヨームの舞台の一例は、こんな感じ。10個とかのボールを一度にジャグリングできるジャグラーが敢えて1個だけのボールで表現する。
フィギュアスケートなんかは、(ぼくが知らないだけかもしれないが)クラシックなフィギュアスケートしかないように思う。4回転ジャンプができる力量があるのに、全く回転しなかったり、意外な演出をこらしたりして観客を魅了するコンテンポラリー・フィギュアスケートだって、そのうち始まるかもしれない。
渡邉尚くんの過去の動画は、例えば、こんな感じ。ジャグラーであり、驚異的に体が柔らかいストレッチ妖怪。ジャグリングとダンスの境界を旅する旅人。自給自足の生活と放浪居候生活と劇場公演の境界を行き来する。
この稀有な日仏のサーカスアーティストのコラボの場に、フランスの音楽家のシルヴァンと日本の音楽家の野村が連歌をつくるように一緒に音楽をつくっている。
今日は2回通し稽古をして、作品の全貌もかなりクリアになってきて、細部を詰める作業に入ってきている。そして、今まで練習スタジオで稽古していたが、明日からはいよいよ劇場入り。素敵な客席ができあがっていて、ワクワクした。
ちなみに、彼らの動画に野村が即興でピアノを弾いて録音したものがこちら。