野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

creative mobilitiesとジャグリングとDJ

今年の1月に京都で出会ったValeria Marcolinが、今日だけパリにいて時間があるので、会おうと連絡してきたので、ランチをする。ヴァレリアは、乗り物とアートや文化をつなぐプロジェクト「Creative Mobilities」を行なっていて、2017年には、第1回の「Creative Mobilities Forum」を開催した。彼女は、ぼくの香港でのトラム(路面電車)での演奏などに興味を持っている。また、アフリカの途絶えそうな文化を残すための活動などもしている。電車やバスや飛行機などの乗り物を、人々が交流したり、創造的な活動ができる場と考えてのプロジェクト。今度、十和田市現代美術館で行う予定の北沢潤くんのプロジェクトの話や、スコットランドのJane Bentleyの自転車オーケストラの話など紹介する。ウェブサイトを見せてもらい、いろいろ説明してもらう。面白い人だし、アートの世界と鉄道やバスや自動車などの世界を結びつけるところが面白い。最近グルノーブルでやったプロジェクトでは、バスの路線のところに馬車を走らせたり、ワークショップで子どもたちが馬車に乗って作文したりする。以下にあるのが、ウェブサイト。

 

creative-mobilities.org

その後、今日もジャグリング公演のリハーサル。今日も、昨日と同じStudio Albatrosは、鎖で瓦楽器を演奏するテクニックを発見。これが意外に面白いので、今度、會田瑞樹くんのために作曲する予定のヴィブラフォンの独奏曲(来年の2月に世界初演の予定)のヒントになった。渡邉尚くんのソロのシーンのために、鍵ハモの独奏曲をつくる。とても良いシーンになりそうで、ギヨームが携帯で録音すると言って、曲を録音する。次に、妖怪オーケストラのシーンの曲をつくるために、歌をつくる。ギヨームが日本語で歌詞を考えてくれて、彼の日本語がネイティブでないので、日本人では思いつかないような歌詞になる。その歌詞になるように野村がメロディーを作曲。それを瓦楽器で演奏したりすると、みんな驚く。次々に曲ができていくので、「音楽家の力を見せられた」と喜んでもらえる。また、音楽をつくることで、各シーンの意味付けやキャラクターが明確になってくる。もう一つ別のシーンの音楽をつくる。これは、ピアノの音楽になるかも。

 

創作が順調に進んだので、ここで今日の創作を切り上げ(3時間くらいで終了)、ホームセンターに行って、鎖やスティックや雨樋の筒などを買う。ジャグラーが色々な日用品でジャグリングをするように、音楽家は色々な日用品で音楽をする。音楽家ジャグラーの共通点に興奮し喜ぶ尚くん。

 

夜は、カーニバルの野外パーティーに行く。数百人の人々が集っていて、DJの音楽で踊っている。シルヴァンが DJをしていた。彼がDJしている様子を見れたのもとてもよかったし、楽しく踊った。明日は、またシルヴァンと音楽創作だ。

 

ということで、今回のパリのレジデンス1週間の前半半分が終了。いよいよ明日から後半戦。