野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

「夏休みこどもアートサーカス」を作曲

あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」が、芸術祭開催から間もなく中止になった。ぼくは、実際に展示も見ていないし、詳細を細かく知るわけではないが、それでも確信を持って言えることは、展覧会関係者がここまで物凄く時間をかけて準備してきた展覧会であったであろうことだ。それを、たった数日で即中止にしなければならなくなったのは、本当に本当に悔しいだろうし、辛いことだと思う。でも、ここで終わりではない。必ず、どこかで「表現の不自由展・その後のその後」を開催することができるはずで、この状況は次への出発点になるはずだ。今、いろいろなところで起こっていること、議論されていること、それらを、しっかり記録し、次の時代に残しておくことは重要だと思う。政治家が何を言い、メディアが何を語り、どんな議論が起こり、どんな反響があり、そうしたことから、作品を生み出すことができる。本になるのか、映画になるのか、展示になるのか、オペラになるのか、演劇になるのか。いろいろな圧力や嫌がらせや逆風があったとしても、作品をつくること。発表する場を奪われても、別の形で発表をし続けること。そうした活動を、様々な形で支えること。

 

 

今日は、久しぶりに自宅だったので、あいちトリエンナーレに関する報道記事も、多少なり読むことができた。

 

そして、8月14日に、豊島区で行う中川賢一さん(ピアノ)、野尻小矢佳さん(打楽器)、鵜木絵里さん(ソプラノ)と野村で演奏するために、新曲「夏休みこどもアートサーカス」を作曲。簡単なフレーズなど断片が書かれたページを組み合わせて、各自が即興的に演奏する曲。民主主義の練習のために、もっともっと作曲をしていきたい。