野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

夏休みこどもアートサーカスを熱演!

野村誠が監修して、他の音楽家をゲストに招いたのではなく、今日から始まった「夏休みこどもアートサーカス」の「音楽のせかい」(@としまセンタースクエア=豊島区役所)は、ピアニストの中川賢一さんが監修。中川さんに呼ばれて集まった音楽家が鵜木絵里さん(ソプラノ)、野尻小矢佳さん(打楽器)とぼくだ。鵜木さんも野尻さんもお仕事させていただくのは初めてで、非常に楽しみに臨んだ。

 

朝は、中川さんのワークショップ「ピアノびっくりドリームワンダーランド」。登場するなりピアノ演奏から始まり、全身全霊で子どもたちにピアノの仕組みを説明し、調律師の中島さんとピアノ解体ショーを始め、アクションに直接触る機会を設けたり、ピアノの響板にオルゴールをつけて、ピアノの響く仕組みを説明。とにかく、中川さんのピアノ愛で、全力でピアノという楽器を目一杯説明している素晴らしい30分のショーだった。ここで、10分休憩して後、子どもたちと音を描くワークショップ。中川さんが弾き、子どもが描く。中川さんは、みんなが描く絵一つひとつにコメントする。同じ音楽でも、人によって感じ方が違って、みんな違う絵になる。そこがいいんだ、と中川さんが訴える。最後に、子どもたちの描いた絵をスクリーンにスライド投影し、それとピアノ演奏の共演で終了。

 

午後は、野尻さんの「リズム・ラボへようこそ!」。野尻さんは、オーシャンドラムの響きを子どもたちに聞かせるところで登場後、続いて、ボディパーカッションで、コール&レスポンスなどをして、リズムを楽しむ。ジャンベを叩きながら口唱歌して、楽譜のない音楽でリズムを口で覚えていくのだ、という。その後、銅鑼を鳴らして、様々な響きの違いを聞かせ、さらにスーパーボールをはじめとする様々なマレットで銅鑼を子どもたちに演奏してもらい、響きを味わう。次に、バラフォン(アフリカの木琴)を登場させて、マリンバの鍵盤をバラバラにして、一人一音ずつ木琴の鍵盤を持って鳴らし、野尻さんのバラフォンとバラバラ木琴でセッション。中川さん曰くリゲティ(20世紀のハンガリー出身の現代作曲家)のよう。その後、ビブラフォンで、ジャズを野尻さんと中川さんで演奏し、最後に、全員に様々な打楽器を配って大セッション大会。簡単なリズムで、のびのびとセッション。素晴らしい。

 

そして、コンサート「小さな音楽会」。全部で12曲のコンサート。まず、中川さんによるピアノソロで、クラシック3曲(ムソルグスキードビュッシー)を美しく奏で、続いて、鵜木さんが登場し、歌曲を4曲(モーツァルトアメイジンググレースなど)を表情豊かに歌い上げた。そして、野尻さんが登場し、ジョン・プササズ作曲「マトルズダンス」という打楽器と(アンプリファイした)ピアノの壮絶なバトルが繰り広げられたあと、野村の登場で、ここから残り4曲が野村作品。鍵盤ハーモニカ・イントロダクションを独演し、野尻さんのボディパーカッションの「Slapping Music」をペチペチ演奏して体が赤くなって後、中川さんと「相撲聞序曲」を爆音で演奏。そして、最後に、新曲「夏休みこどもアートサーカス」を中川さん、野尻さん、鵜木さんと野村の4人で演奏。鵜木さんがはじけまくって、エルヴィス・プレスリーの化身のようになって歌ってくださる大熱演で、こどもたちにも大喜びしてもらえた。

 

ということで、今日のワークショップとコンサートは終了。明日の準備をする。明日の最後にワークショップ&ライブ「みんな集まれ 音楽deサーカス」があり、これに向けての打ち合わせをじっくりやる。本日初演した「夏休みこどもアートサーカス」を、明日のワークショップでもテーマ曲にしたいと言っていただけたので(自分の曲が愛されるのは嬉しい)、これに肉付けして明日は進めることになると思う。ホテルに戻り、明日のワークショップに向けて、「あやしいサーカス団」を軽く作曲し、みなさんに譜面を送付する。明日もメチャクチャ楽しみだー。