野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

また作曲が始まる

本日は、鍼灸に行って、体の調子を整えてもらう。最近、主に自宅で自炊中心の暮らしをしているためか、ここ数ヶ月で一番状態がよかったようで、嬉しい。

 

鍼灸といえば、5月26日(日)のコンサート「ピアノの本音」でご一緒する調律師の上野さんは、ある意味、ピアノの鍼灸師のような人だ。ピアノの調律をするだけでなく、ピアノの健康状態を、全体のつながりを通してみていく。問題のある患部だけを見るのではない。ピアノの音色を豊かにするために、ピアノのアクションをスムーズにするために、思いも掛けないちょっとしたネジの締め具合などで、劇的に世界が変わる。そして、そうしたピアノ技術者としてのノウハウを、音楽家が共有したら、ピアノ音楽は革命的に変わるはずだ、と言う。

 

「ピアノの本音」に向けてピアノを練習/研究しているうちに、6月29日の「問題行動ショー」で演奏するヴァイオリンとクラリネットとピアノの曲を作曲したい気持ちがムクムクと湧き上がってきて、突如、作曲を始める。この3月に「十和田十景」の10曲、5月に「福岡市美術館第2集」の9曲と、小品を19曲書いたので、15分以上のボリューム感のある曲を書いて、その時間の中で、音楽は万華鏡のように七変化するのだ。砂連尾さんや佐久間さんに踊ってもらうのだ。とりあえず、どんどん好き放題書いていく。書いていくうちに何かが立ち現れていくのだ。香港の様々な記憶も、その他のことも、なんでもありの音楽にしたい。

 

その後、JACSHA(日本相撲聞芸術作曲家協議会)の打ち合わせで、「オペラ双葉山」をどう展開させていくのか、いろいろ頭を悩ませる。