野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

イギリスを出国

ロンドンのエンリコ宅を出発し、イギリスを出国し、アムステルダム経由で、日本へ向かう。イギリスーオランダ間は1時間のフライトなので、一瞬。オランダー日本間は、11時間のフライト。飛行機の中で2時間ほど寝て、映画を3本見ることができた。20世紀初頭に初めて女性で指揮者になった人の実話をもとにした「コンダクター」という映画は、映画そのものというよりは、未だに女性の指揮者が非常に少ないことなど考えさせられる。メンデルスゾーンの姉のファニー・メンデルスゾーンが生きた時代は19世紀前半。この映画の舞台は20世紀前半。21世紀は、女性の作曲家、女性の指揮者が、もっと普通に対等に活躍できる時代にしたい。クイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディー」は、単に伝説のバンドの話としてではなく、イギリスで出会った様々な友人たちのこととも重なり、イギリスからの帰路に見るのに最適だった。飛行機が中国上空を飛んでいる時に、井口淳子さんの新刊「亡命者たちの上海楽壇 租界の音楽とバレエ」を読了。20世紀前半の上海の状況を、新聞などの文献から描き出す。埋もれてしまっている存在に光が当たり、知らなかった歴史が立ち上がる。渡辺浦人の作品も、戦争の最中に上海で演奏されていた。

 

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