野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

愛知大学で講義

本日は、日帰りで豊橋へ。愛知大学で授業をしました。

日本センチュリー交響楽団との試みについて、色々語ると、学生の一人が、クラシックのコンサートに行った話をしてくれた。ウイーンからのオーケストラで、学生席が2,000円。聴きに行くと、学生席も空席が多く、観客のほとんどがおばあちゃんばかりだった。内容はよかったのに、こんなにお客さんが入らないんだなと思った、と言う。では、どうしたらいいか、ということを議論するのは、マネジメントの授業になると思うし、今日の講義は実際に体を動かし体験してみる授業で、そのために野村は招かれているので、そこの議論は今日は深めずに、今後、吉野さつきさんの授業の中で、ディスカッションして下さいね、と言い残す。ただし、そうしたことの一つの答えとして、今日の講義では、まずは、実際に楽器を演奏してみる、音を出してみる、という体験をしようと提案する。そうしたことで、自分たちにとって、音楽家やコンサートなどとの距離感が変わるのかどうかを、自らの体験を通して検証してみよう、というのだ。

学生の中には、邦楽サークルで箏をやっている学生、吹奏楽クラリネットやトランペットをやっている学生もいたので、クラリネット、トランペット、フリューゲルホルン、箏、十七絃という楽器と、大学にあった小物打楽器を使って、実際に作曲をしてみるワークショップとなった。

簡単に構成を決めながら、そこに味付けをしていく即興的なアンサンブル。構成だけが決まって、各自の演奏はもちろん奏者に委ねられるが、学生たちも柔軟に対応。そして、後半は、実際に簡単なメロディーを作ってもらって、それで合奏。これは、なかなか美しい合奏になり、これに合わせて即興で踊ってもらった。

ぼくにとっては、こうした楽器の組み合わせは珍しいことではないが、学生たちは、箏とトランペットが一緒だったり、そこに、玩具楽器まで加わった状況自体が初体験だったようだ。そうした時に、全ての楽器に居場所があったことに、意味を見出している学生もいた。

吉野さつきさんと夕食。色々、語り合って後、京都に戻る。