野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

金沢大学の学生さんとのコンサート

金沢大学に短期滞在中。午前中はピアノの個人練習で、メシアンの「アーメンの幻影」を練習。せっかくメシアンスペシャリストである中川賢一さんと2台ピアノをすることになったので、メシアンを共演させていただこうと思ったわけで、自宅でも練習をしているが、やはり、こういう教室の広い空間でガンガン鳴らして練習できるのはいい。

その後、金沢ふるさと偉人館にて、学生さん達と最終リハーサル。学生さんに課題として出した「金沢偉人組曲」が、とても面白い。アドレナリンのリズムを中国打楽器で叩く第1楽章、1階から2階に階段を上ってくるフルートトリオの第2楽章。アカペラで解説文を読んだり歌ったりする第3楽章。トランペット、ヴァイオリン、クラリネットと鍵ハモで和風な第4楽章。第5楽章は、観客参加の金属の響きのアンサンブル。

会場をいろいろ面白く活用することもできて、良い感じ。

本番は、1曲目の鍵ハモ・イントロダクションをロビーで演奏し、そのまま2曲目の「手拍子のロンド」には、手拍子や声で観客も参加。

3曲目の野村誠作曲「Sweets for Toy Piano」(2017)で、吹き抜けの空間に移動。1年生の女子学生4人がパジャマで演奏。トイピアノとリコーダーとトーンチャイムの夢見る音楽に、お菓子で打楽器を自由に演奏。

4曲目の野村誠作曲「てぬき1」、「てぬき2」が、OLと課長のやりとりの演劇風で面白い。

5曲目の「しょうぎ作曲」では、部分的に観客に楽器を渡す場面もとりいれ、6曲目の野村誠作曲「神戸のホケット」(1996)は、鍵盤ハーモニカ8重奏。1、2年生8人に野村も加わった9人で合奏。

7曲目が、「金沢偉人組曲」で、2階で5曲演奏。それぞれの曲のキャラがしっかり出たし、楽譜のない音楽をこうやって人前で演奏することも、学生たちにとっては大きなチャレンジだったが、大成功。

最後の8曲目が、野村誠作曲「Slapping Music」をみんなでパチパチ、ペチペチとやった。

作曲家の田中吉史さん、金沢21世紀美術館の黒沢伸さん、山下樹里さん、作曲家の浅井暁子さんと深夜まで語り合った。皆さん、金沢の文化をどう活性化するかに、いろいろ考えておられる。

台風直撃しなくってよかった。