野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ドラムカーニバルとダンスの共演

香港の巨大福祉施設JCRCでの「點心組曲」創作中。

朝は、「點心組曲」第9楽章の「ピアノとソファの間奏曲」。ピアノソファ君とピアノを弾いたり、ピアノソファ君がソファに寝そべっている間に、ぼくがピアノを弾いたりする時間。ところが、今日は、ソファに寝そべることはなかった。ぼくがピアノを弾いているときも、時々、譜面を覗き込んだりする。最後の演奏で、変なところで、突然フォルテになったりする不思議な演奏をした。どうやら譜面のクレッシェンドを彼なりに表現しようとしているらしい。

「點心組曲」第5楽章の「静かな五重奏」の7回目。行くと、うっかり爆発ピアノ君に見つかってしまう。そこで、彼が部屋に入ってくる前に、爆発ピアノ君を抱きしめる。彼への信頼と愛情を伝えると、爆発ピアノ君は、おそらく「月曜日と火曜日がバンドの練習だよね」と言っているようなので、「また来週、練習楽しみだ」と目で伝えると、納得してくれた。とにかく、爆発ピアノ君が加わっては、「静かな五重奏」にならないのです。この5重奏、渋く変化していて、ああ、木琴のバチの使い方が面白いとか、ちょっとしたツボが色々あり、それを、できるだけ施設の職員さんにも伝わるように、即興で共演しているつもりなのですが、多分、なかなかそれで理解してもらうのには、壁も大きいかもしれません。このグループ、毎回、何か不思議な音楽が立ち上がるのですが、今日は、結構、激しい場面もありました。

「點心組曲」第10楽章の「ボディミュージック」は、前回作った歌に合わせて、踊りを作って踊ってみました。なんというか、歌もバラバラで、踊りもバラバラなので、揃っていないバラバラ具合が、非常に風通しがいい。最後に、「古式土俵入り」もやってくれました。これは、徐々に定着してきています。

「點心組曲」第2楽章の「ドラムカーニバル」の9回目。初の試みでダンスチームとの合同。このダンスチームは、前回は、クラスの最後に、砂連尾理さんと即興で踊りました。今日は、ドラム8重奏と共演。最初は戸惑っていたダンサーたちも、徐々に感じをつかんできて、生演奏楽団つきのパフォーマンスで、面白い動きがいっぱい出てきたのと、ドラムチームも、初コラボでテンションもあがり、相乗効果。バンドリーダーさんはご機嫌でしたし、ノリノリちゃんは、ぼくの手を引っ張り、やはりご機嫌で演奏したり、踊ったり。ゲラゲラ木琴さんの演奏が安定し、ゲラゲラと言うよりも、職人的になっていて、ダンスの動きも真似していた。

今日は新月。満月が過ぎると、次々にイベントがあり、次の新月の日には、日本に戻っているのです。