野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

帝女花

香港でのレジデンスも今日で8週間。今朝は、「點心組曲」第9楽章の「ピアノとソファの間奏曲」。ピアノソファ君とピアノとソファの部屋で過ごすのですが、相変わらず、ピアノとソファの部屋は、病気の人を隔離する部屋になっていて、使えず。ソファのない別室でキーボード。一昨日、ステージでピアノを弾いた成功体験があるからか、今日はピアノソファ君は嬉々として、ピアノを弾きます。今まで弾いたことのある3曲だけでなく、次のページの譜面もめくってみると、譜面を一生懸命読みながら最後まで弾いた。その後、ぼくがピアノを弾くと、飛び跳ねるようにして喜びを表現してくれた。なんだか嬉しいらしい。

「點心組曲」第15楽章の「Chicken Music」では、昨日お年寄りに教わった「Cantonese Opera」の定番のメロディーを鍵ハモで吹いたところ、お年寄りがその続きを歌って教えてくれる。「帝女花」という曲らしい。また、前回に続いて、トーンチャイムを配って、ニワトリの鳴き声をしながらピアノを弾く「Chicken Music」をやった。広東語での歌を何曲も作ったので、広東語で歌うと、お年寄りたちは喜んで歌い返して下さるので、嬉しい。知的障がいの施設に行くと、ノンバーバルなコミュニケーションが多いので、広東語が上達しないが、高齢者とのコミュニケーションでは、広東語が勉強になる。

「點心」の絵を描くプロジェクトが始まっている。i-dArtのアーティストが次々に描いてくれている。

「點心組曲」第2楽章「ドラムカーニバル」の7回目。バンドリーダーさんが、中国太鼓で次々に新たなリズムを叩く。ノリノリちゃんが、今日は太鼓をノリノリで叩き、時にアンサンブルをリード。今日は、施設の職員さんにできるだけ補佐ではなく、太鼓を叩いてもらう。また、職員さんに向けて、太鼓の奏法など説明する。タンバリン娘の一人に、中国パーカッションのウッドブロックを渡してみると、これがまた見事なポリリズムになる。最後にバンドリーダーさんの叩いたリズムパターンは、随分と面白いものだった。

「點心組曲」第3楽章「車椅子四重奏」は8回目。今日は、いつも太鼓をやる人に、中国打楽器をやってもらったり、ハープ君が最後にボディパーカッションになったりした。みんな専門性が出てきたので、逆に違うことをやるのが新鮮になったりする。

「點心組曲」第8楽章「木魚のお経」。木琴を5音音階にして、鍵盤をいくつかはずしてみたけれども、それはどうも違うみたいだったので、7音音階に戻す。相変わらず、お経みたいな音楽。

夜は、ネット通話で7月28日の金沢でのコンサートの打ち合わせ。