野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

うた、ドラム、車椅子四重奏

今朝、突然ベリーニから、前回の続きでi-dArtのスタッフに向けて、野村のこれまでの活動のプレゼン第2弾をやって欲しい、と言われる。ということで、午前は、レクチャー。特別養護老人ホームさくら苑での共同作曲と「老人ホームREMIX」の話、それと即興音楽家のタケオ君との出会いや彼の成長や変化について、映画「Takeo」を見せながら説明。また、続きは次回に、ということになったが、次回は、i-dArtや福祉のことに関係なくて良いので、野村の創作活動をプレゼンして欲しい、とのことでした。ぼくのことを、よい理解したい、ということで、嬉しいです。

ということで、今日から14のプロジェクトから成る「點心組曲」が始まります。まずは、第1楽章「Happy Handsome Rock’n Roll」は、今日が4回目のセッションになるFさんとの歌づくり。これは、パソコンを持っていって、その場でFさんの言った音符を入力し、再生して聞いてもらう、というやり方でやりました。Fさんは大喜びでした。

第2楽章「Drum Carnival」は、初回。5人ほどのメンバーで、打楽器しかやらない、というルールで、即興。もの凄い勢いで太鼓を叩く人、比較的落ち着いて太鼓を叩く人、ゲラゲラ笑い転げる人、身体を大きく揺らす人、そして、ダンサーのような切れ味のあるポーズをする人。最初は、みんな楽器が珍しくて、触ってみたりしていましたが、そのうちに、一人が核になるリズムをキープしていました。このリズムは混沌の渦に埋もれそうだったので、ぼくもユニゾンしまして、これを核にする最初のドラムカーニバルのグルーヴができました。初回でこれだけできれば、20回続けた時にどうなっているか、楽しみです。カーニバルだから、そのうち、衣装とか楽しみたいです。

第3楽章「Wheelchair Quartet」は、車椅子の人が4人だと思っていましたが、4人のうち3人が車椅子でした。それにしても、車椅子を使っている人といっても多様で、とりあえず、それぞれの身体機能に見合った楽器を選ぶこと、探ることが、今日の一番の課題でした。身体機能に合ったとしても、本人が乗り気じゃないと意味がないのです。そうやって楽器を選んだ結果、ジャンベ、鍵ハモ、ウクレレ、木琴、という四重奏の編成が決まりました。ただ、4人でセッションすると言うよりは、一人ずつが楽器に慣れていくことが必要なので、次回からは、4回に分けて、一人15分ずつ別々にセッションすることにしました。

ということで、14楽章のうちの3楽章までを、本日試すことができて、手応え十分です。何せ、20回続けるうちの1回目と思うと、今日一日でそれほど成果をあげなくてもいいのですが、それにしては十分な成果だったので、満足です。