野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

サムさんと長崎での講習会

第21回長崎県音楽教育研究会特別支援学校部会夏期研修会にて、講習会の講師をしました。長崎大学准教授の西田治さん(=サムさん)と共に。午前中は、「鍵ハモ・イントロダクション」から始めて、鍵盤ハーモニカの様々な奏法など講座。黒鍵だけを、指以外の身体の様々な部位で演奏してみたり。鍵ハモの黒鍵のみ、トーンチャイムのみ、みんなで声をスイッチする即興アンサンブルもしました。鍵盤ハーモニカのホースと風船だけで演奏した「キーコレ」の映像を見たり、野村の他の実践の映像を見たり。

午後は、色々な質問に答えながら、「音楽ってどうやるの」の中の「なんちゃってアイリッシュ」を実際にやってみたり、打楽器をみんなが持っての「せーの」と「1234」。さらには、打楽器と声での即興アンサンブル。トーンチャイムのアンサンブルなどもしました。最後は、野村のピアノの即興演奏を聴いていただき、終了。講座の全体を通して、大相撲の世界で言われる「稽古3年」(今やっている稽古の成果は、3年後にあらわれる)という言葉を何度も伝えました。今日の研修をすぐ明日の授業に活かそうとせずに、日々の研修、日々の練習が徐々に自分の身体化されて、3年後には実になる、という考えです。

その後は、サムさんから音楽教育に関する様々な質問に答えているうちに、ジョン・ペインターの話などする。ジョンは、ぼくがヨーク時代(1994-1995年)にお世話になった作曲家/音楽教育学者で、既に故人なのですが、彼から最後にもらった手紙に、2008年に彼の最後の本が出たところだと書いてあったことを思い出し、しかし、読んでいなかったなぁ、と思い出す。彼の人生最後に出した本を、読んでみようと思う。

夜は、海の見える西田邸に泊めていただき、ジョン・ケージについて質問されたので、いろいろケージの音楽について説明する。