野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

JACSHA8周年

大相撲夏場所6日目

JACSHA(=Japan Association of Composers for Sumo Hearing Arts=日本相撲聞芸術作曲家協議会)の鶴見幸代さん(作曲家)の誕生日なので、さいたまトリエンナーレ2016の準備のリサーチも兼ねて、大相撲観賞。朝、鶴見さんと待ち合わせ、8時より、櫓での一番太鼓を30分間聴きまして、これだけでも、大きな収穫多数あり。冒頭のイントロから聴くことができ、基本パターンを延々と繰り返すのも楽しみ、5分ほど経つと「洒落バチ」と呼ばれる違ったパターンがフィルインされて、また基本パターンに。5分に一度くらい洒落バチ登場し、15分で、もう一人の呼出しさんと交代して、30分間ノンストップで続く一番太鼓は、30分ちょうどでコーダに入り終了。満喫しました。フチマワシと呼ばれる合の手を入れる演奏も、要研究ということが分かりました。マンションなどの反射のエコー音も面白いです。現代の櫓太鼓は、江戸時代と違った音響になっていることでしょう。

8時半から、序の口の取り組みから観戦。序の口でも、既に身体ができているお相撲さんが多く、これは近年の傾向かと思います。最近では、学生相撲から入門する人も多いのですが、これは、世の中の就職難などと関連していると思われます。つまり、大学を卒業しても、なかなか就職がない時代であることも、学生相撲出身者が、以前よりも多く入門していることの一因かもしれません。

その後、さいたまトリエンナーレ2016ディレクターの森真理子さん、アシスタントディレクターの里村真理さんも加わり、野村は小学校時代の相撲部経験を活かして、決まり手解説などを行いました。

JACSHAに太鼓や呼び上げについて伝授して下さった呼出しの邦夫さんは、十両での登場で、宇良ー朝弁慶を呼び上げ。「う〜〜〜ら〜〜〜〜」と2文字の呼び上げ。続いても、佐藤を呼び上げ、「さ〜〜〜〜と〜〜〜〜〜」と2文字のような名前が二人続いて。あとで邦夫さんにお会いしてお話をうかがったところ、やはり二文字は呼び上げにくいそうです。5文字がやはりいいですね。邦夫さんのワークショップは、7月に予定。そして、10月2日に、さいたまトリエンナーレでのJACSHAのパフォーマンスには、邦夫さん、そして打楽器奏者の神田佳子さんにも出演していただき、岩槻(さいたま)に太鼓が響き渡る予定です。高砂部屋マネージャーの一ノ矢さんともお会いすることができました。

夕方18時まで観賞の後、櫓の上でのはね太鼓も最後まで観賞。約10時間半の両国での濃密なリサーチは、あっと言う間の楽し過ぎる時間でした。その後、両国門天ホールに、6月16日に開催する「竹澤悦子野村誠コンサート」のチラシを受け取りに行くと、同ホール支配人の黒崎さんも交えて、さいたまトリエンナーレの打ち合わせが始まり、そして、鶴見幸代の誕生日祝賀会も同時開催されました。黒崎さん、ありがとう。

今から8年前の鶴見幸代の誕生日に、やはり大相撲観戦をしました。その時の日記がこちら。この日に、JACSHAが誕生しました。
http://d.hatena.ne.jp/makotonomura/20080513