野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ピアノの本音 第1回

滋賀県守山市にあるスティマー・ザールにて、「ピアノの本音」の第1回を開催しました。前半が実演付きのレクチャーで、今回は6つの話題。

調律師の上野さんによる調律道具の説明、ピアノのアクションなどを模型を使っての説明、スティムフューチャーや弦の構造の説明など、非常に面白く、また、野村は、ピアノ、鍵ハモ、チェンバロを比較しながら、音を長く伸ばす時に、そこにどのような変化がつき得るのか、について、実演を交えながら説明しました。そして、鍵盤ハーモニカでは、ビブラート、浅鍵盤などで、長く伸ばした音に変化をつけられます。しかし、ピアノは一度弦を叩いた後は、音が減衰していくので、そのような変化はつかないはず。ところが、上野さんは、それが可能だ、と言い、そこにピアノの未来形を見出そうとしていて、それが次回6月5日の「ピアノの本音」第2回のテーマとなっています。また、チェンバロ、鍵ハモ、ピアノでの鍵盤のカタカタ音などについても、実演して比較してみました。

そして、後半は、チェンバロによる即興演奏「ノムラノチェンバロ」、野村誠作曲作品を「福岡市美術館」より7曲、「クリミ」、そして「DVがなくなる日のためのインテルメッツォ」。さらに、特別企画のクラシックの曲を弾くコーナーで、ドビュッシーの「月の光」を非常にゆっくり弾き、ピアノの和音が時々刻々と変化していることや、ピアノの音色を味わっていただきました。最後には、本日の「ピアノの本音」ということで、じっくりピアノの即興演奏を味わっていただきました。

皆様、ご来場ありがとうございました。第2回は、6月5日、第3回は8月6日を予定しております。