野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

居間の音楽 今の音楽2

エンリコ・ベルテッリ、やぶくみこ、松澤佑紗、野村誠の4人によるコンサート「居間の音楽 今の音楽2」@ながらの座・座

定員40名ですが、50人くらい入ったのでしょうか?超満員。ありがたいです。1曲目に、野村の鍵ハモソロ。お馴染みの「鍵盤ハーモニカイントロダクション」。ビブラートをすると、楽器だけでなく家も揺れる古民家。2曲目は、吉沢検校の「千鳥の曲」。松澤佑紗の箏と声の世界に、聞き惚れる。3曲目は、エンリコのビブラフォンソロ。カーディフの大学時代の友人の作曲家の曲。弓で弾く音色が美しく、光が音に合わせて差し込むように感じる。4曲目は、やぶくみこのグンデルソロで、自作の「双子座」。ガムランの音色に、外のカラスなどの声が共演する。

つづいて、即興。やぶ+エンリコは、グンデルとビブラフォンという東西の鉄琴の共演。音律の違う金属鍵盤楽器の混じり合う響き。続いて、野村とエンリコ。色々な展開で、エンリコもビブラフォンから離れて、家の柱を演奏したりする。「おばけだぞー」とぼくが言うと、松澤佑紗が加わり、松澤+エンリコのデュオ。こちらは、箏とビブラフォン。同じ音階で演奏する。エンリコにとっては、箏と共演するのは、本当に難しいことだったそうで、とにかく先が予想がつかないので、聴く、聴く、聴く、だったのだそうです。

前半の最後は、新曲「たたもく」。陽気なエンリコ。息のあったアンサンブル。

休憩後の後半は、エンリコの演劇的なパフォーマンスの後、野村+やぶ+松澤のトリオ即興。途中、別室のピアノも弾く。ここで終わりと思って、弾いたピアノの和音の後、別室の二人は弾き続けるか、と思いきや、同時に終わった。伝わる人達だ。

エンリコのボディパーカッションのワークショップの後、新作「無一物」を演奏。ビブラフォン、鍵盤ハーモニカ、トイピアノ、ペットボトル、箏、グンデル、ダルブッカ、様々なパーカッション、これらの楽器が、ちゃんと融合して音楽になっていくのが、嬉しかった。居間の音楽であり、今の音楽になっていた。

アンコールでは、観客のボディパーカッションから始まる即興をした。この4人で、もう一曲演奏できたのは、嬉しい。軽快なリズムで進んだ後に、日が暮れかけた部屋を味わいたくて、電気を消していって、自然光だけになって、そうすると、より音を味わいたくなって、そして、最後、また同時に、ふーっと余韻を味わうように音楽が終わった。

皆様、お疲れさま。よい時間をありがとう。ながらの座・座をあとにして、京都の自宅に戻る。