野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

京阪沿線46駅の音楽

2週間前に4回のワークショップで、46駅分の曲のラフスケッチを考えました。その時に最低限のメモはとったわけですが、それだけでは、本当に手がかりが少な過ぎるので、本日、ワークショップの音源を聞き返しながら、もう少し情報量の多いメモ楽譜を書き起こす作業に取りかかりました。丁寧にやり過ぎると、いつまで経っても終わらないので、大雑把にですが、半分の23曲分のメモ楽譜ができあがりました。ひとまず、明日、明後日の空き時間を使って、何とか残りの23曲のメモ楽譜も、作成しようと思います。

で、本日、書き起こした23曲のメモ楽譜を見ながら、ピアノを弾いてみると、まぁ、一応、一曲ずつのキャラクターはあるなぁ、と確認。ここを起点に、推敲していく感じです。

その後、12年前に出したアルバム「せみ」を聞き返しました。12年前の自分の音源を聞き返して、知っているつもりですが、ぶったまげました。ガムラン曲「せみ」も、箏アンサンブル「せみBongo」も凄い曲で、最後の「せみ小倉」の混沌と混沌じゃないののスレスレ具合を聴いて、ああ「千住の1010人」の世界観の土台は、ここにあるんだなぁ、と思いました。また、これだけの音楽家を一同に集めて、しかも公立小学校の音楽室でレコーディングをするなんて、狂気の沙汰です。笑顔で飄々としながら、「せみ小倉」の25分くらい続く混沌の手前の様々な音がシュールに重なり合う喧噪の後の静謐な音楽を実現させてしまった自分に、参りました、と脱帽しました。不器用に愚直に音楽をやっているのだなぁ、と思いました。そして、この音源を聴いてしまった以上、46歳の野村誠は、34歳の野村誠に顔向けできるのか?と自問自答。

ということで、46曲の音楽、自分なりに納得がいく作品にできるはずだ、と過去の自分に勇気をいただき、明日も作曲に取り組もうと思ったのでした。

ちなみに、「せみ」について検索してみたら、以下の批評を書いてくれている方がおられて、嬉しいです。
http://ken-hongou2.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-7eb3.html

「せみ」の購入は、タワーレコード
http://tower.jp/artist/295306/%E9%87%8E%E6%9D%91%E8%AA%A0

ということで、明日は、野村誠作曲のアコーディオン五重奏「おっぺけぺーの種を蒔け」(2014)世界初演です。大正時代の自由民権運動の「おっぺけぺー節」の力強さ、衆議院選挙前に聴くことになるとは思っていませんでした。「おっぺけぺー節」の主題に基づく変奏曲のような曲です。東京まで聴きに行けませんが、成功を祈ります。

New Ensemble Accorde
Concert
ニュー・アンサンブル・アコルデ コンサート
☆出演☆
ニュー・アンサンブル・アコルデ
稲葉由理子 園山三左子 斉藤みどり 足立カヨ子
☆ゲスト☆
アコーディオニスト 柴粼和圭
午前の部 開場10:30 開演11:00
午後の部 開場14:00 開演14:30
\2.000(全席自由)
◆お問い合わせ・チケットお申込み◆
斉藤 090-4418-3680
◆後援◆
NPO法人 日本アコーディオン協会(JAA)
http://www.l-i-c.com/concert.html