野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ごんべえさん

京都に戻りました。庭の植物達が、思っていた以上に成長しておりました。春近し。久しぶりの家なので、お片づけやお掃除や洗濯をしたり、カフェでくつろいだり、買い物に出かけたり。平穏な日常が帰ってきました。そして、新月も過ぎて、三日月よりも少し痩せた月が西の空に美しい。

気がつくと「千住だじゃれ音楽祭」のコンサートまで2週間なので、タイのアナンとのやりとりも続いております。3月16日、千住(東京)で、

千住だじゃれ音楽祭 国際交流企画第2弾:タイ編「タイのアナンを藝大に歓迎タイ!

をやるのです。(詳細はこちら)

http://aaa-senju.com/5117

で、このコンサートでは、98年、20代の最後(29歳の時)に作曲し、藤原道山さん(尺八)、竹澤悦子さん(箏)、日原史絵さん(箏)、P−ブロッ(鍵盤ハーモニカ)、アサヒビール社員とその家族(玩具楽器など)、野村誠(ピアノ)で初演した記念碑的な作品「ごんべえさん」も演奏することになります。大正時代の老人との出会いの思い出を綴ったこの作品を、東京藝大邦楽科の新進気鋭の演奏家の方々、千住だじゃれ音楽研究会の個性的メンバー、タイの奇才アナン・ナルコンと、16年ぶりに響かせてみようと思います。

この作品を作った翌年に「お年寄りとの共同作曲」を開始し、それが昨日まで上演していたドキュメンタリー・オペラ「復興ダンゴ」へ繋がるわけですが、その原点の「ごんべえさん」を演奏し、そして、タイと日本の間で、新たな「だじゃれ音楽」の創造の場を追求してみたいと思っています。