野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

45歳になりました 展覧会4日目

アートスペース虹での展覧会の4日目でありまして、ぼくの45回目の誕生日でもあります。

http://www.ffj.jp/hana/s1004.htm

本日も多数のご来場をいただき、それを全部書くことは無理なのですが、なんとなくの雰囲気としては、こんな感じでした。

今日は東の風も吹いていたのか、静岡のギャラリーの方の遠隔操作でお花が届いたり、東京の足立区からダジャレンジャーの来訪あったり。ダジャレンジャーが出発後、次に来た方は千葉から来られたり。岐阜の陶芸の美術館の方が来られたり。また、かつて東京のメセナ協議会におられた方も、いつの間にか大阪のアート関係の財団に就職しておられ、社長さんと一緒に来られたり。

昨日の京都新聞の記事を見て来た、という方も、ちらほらおられました。新聞を見て、19年前、西部講堂でやった演劇の音楽をやっていた野村誠だ、あれ良かったわー、と見に来てくれた方もいました。国際交流会館でベビーシッターをしており、娘さんがアコーディオン奏者である方も、新聞を見て来て下さいました。

本当は夜のパフォーマンスのために、足を休めておくべきなのですが、色々来られると、ついついオルガンを演奏してしまいます。足踏みオルガンの達人は、きっと太腿がスケート選手や競輪選手のように太く、上半身は細身であるに違いない。

それにしても画廊で作品を見せつつ、色々な方とお茶を飲みながらお話をする。別々に来た方々がここで一緒に話をする。不思議な場です。小さなギャラリーですが、広場なのです。

昨日お会いしたばかりの美術作家さんが、昨日帰ってすぐに東本願寺からの由緒ある瓦を洗って泥を落とし、乾かし、梱包して、画廊まで届けてくれました。これは本当に巨大な瓦で、なんとも不思議にお寺な音がします。よし、野村くんセッションや、と瓦セッションが始まり、会場のテンションも渦を巻く。そこに風景収集狂者の美術家さんが夫婦+子ども3人の計5人で登場し、そこに「その場小説」の小説家さんが一家で登場。気づくと画廊の外の歩道で走り回る子ども達。オルガンのペダルが故障すると、風景収集狂者さんが修理してくれました。さすが。

日米同盟についてコラムを書いてから来ていただいた新聞社論説委員さん、「おめでタイ焼き」を差し入れてくれた写真家さん、見に来てそのままスタッフのように動いていただいた某オーケストラの事務局の方、即興演奏家の方も瓦を楽しみ、ダンサーの方々が集い歩道でセネガルダンスワークショップが始まる。京都芸大の音楽の学生達は、瓦を叩き続けるし、バグパイプともセッションになる。

お寺にてコンサート。1曲目は鍵ハモ、2曲目オルガン。オルガンを演奏するが、今までとは違う大人数に聴かせるので、ペダルも踏み踏み、全力で走っているような感じです。ついに、左のペダルがはずれて右だけしか使えなくなると、瞬時に風景収集狂者さんが飛び込み、演奏が続行する中でのライブ修復。子どもが「お父さん、がんばれ」と応援。見事な飛び入りゲスト。そして、3曲目は瓦の音楽。床に置いて演奏するも、お座敷では遠くから見にくいので、そこで思いついたのが移動式演奏。瓦を演奏しては、一つの瓦を手に持ち、もう一つの瓦を畳の上に置き、交互に瓦を持ちかえつつ叩きながら、移動していく。これで移動しているうちに、風呂桶も見つけてしまい、瓦と風呂桶の合奏に。風景収集狂者さんの息子さんにも少し演奏手伝っていただく。4曲目は、再びオルガンで、「オルガンスープ」の6曲目「ミソラーメン食べ放題」。みなとみらいホール、東京芸術劇場サントリーホールの3つのパイプオルガンで演奏された曲ですが、足踏みオルガンでは初演。これで終わりだったのですが、アンコールをしていただき、5曲目に鍵ハモをやって終了。

CDにサインをして、20年ぶりに懐かしい友人にも会ったり、アイオワのアートセンターの方もやって来たりして、静岡の美術館にいる友人が遥々来てくれたり、ダンス制作の方や、ガムランプレイヤーの方、色々な方々との話が混在しながら、画廊に戻り、ビーガンケーキも用意され、料理の上手なホルン吹きがキャンバスの上に鍵盤や音符の形に盛りつけ、立食パーティー。感謝です。

展示はいよいよ残り二日です。記念すべき誕生日を迎えることができました。