野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

試練でしたが楽しんだAI HALLのワークショップ

3日連続AI HALLの中日。本日は、ワークショップです。16日に予定されていたワークショップ1回目が台風で、飛んでしまい、今日が初回。しかも、明日には、このメンバーと町中に飛び出してパフォーマンスをすることが決まっているのです。

これには、正直、頭を抱えました。2回のワークショップで、一般で集まった人とパフォーマンスをするだけでも、大変です。それが、1回のワークショップで翌日本番です。しかも、それが、劇場内だったら、観客が集中できる環境が整っていますが、野外なので集中力も散漫になりやすいので、パフォーマンスにより強度が要ります。これは、二重に過酷です。

この「まちなか劇場」というAI HALLの企画は、昨年始めたばかりなので、まだ十分には町に浸透しているとは言えません。ここで不出来なパフォーマンスをすれば、せっかく取り組み始めたAI HALLの町中展開にとって、逆風を増やしかねないし、それではやらない方がましなのです。また、せっかく参加していただいている方々が、1回という少ないワークショップで消化不良のまま人前に立ってしまい、未詳かな中途半端なパフォーマンスをさせることは、何としても避けたい。でも、今日、初対面の方々と、明日なのです。

今日やって明日パフォーマンスなので、フレッシュな気持ちをいかすしかない。とにかく、参加している人々から出てくるものを最大限に受けとめながら、それを一番良い形でパフォーマンスにできるようにしよう、と思い、ゆったりと構えられたのが良かった気がします。たった1回の3時間ワークショップの中で、初対面の挨拶から始まって、企画趣旨やAI HALLとの関わりも話した上で、その場で共同作曲をし、できた曲を一度試しに野外で実演してみて、明日の本番の衣装について話し合い、マイクや小道具を確認する、というところまで、何とかやることができたです。ふうっ。これを焦らずに、音楽が生まれてくるまで、じっくりと待った上で実現できたのが、本当に嬉しい。そうした難産の上に生まれ曲が、本当に愛おしい。そして、参加した方々が、それぞれのテンションで楽しんでくれていたのが、何よりでした。

明日は、これを野外で上演するのですが、うまくいきますように。