野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

秋空空港協奏曲

AI HALLでの3日目のプログラム。町中おでかけパフォーマンス。朝7時に起きて準備して、8時に家を出て、10時にリハーサル開始。11時に本番なので、1時間しかない。立ち位置の確認、曲の演奏のニュアンスのこと、段取りのこと、マイクの使い方、を含めたリハーサルを50分間で済ませて、残りの10分で、衣装にドミノを貼り付け、みんなでタイトルも考え、「秋風空港協奏曲」というタイトルになり、本番。

いきなり本番は大変なので、最初に野村の鍵ハモソロを10分弱やって、お客さんが聴く体勢を作り、そこで、「秋風空港協奏曲」を演奏しました。みんな堂々と自分達のパフォーマンスをやり遂げてくれましたし、観客の方々も、この不思議なテイストの音楽をじっくり味わっていただけました。そして、最後に、観客の人にも参加してもらうコーナーをやりました。昨日、初めてワークショップに参加してくれた方々は、ちゃんと野村誠楽団の一員として、観客の方にペットボトルや楽器を勧めたりしてくれて、その光景を見ただけでも、ああ、良かったなぁ、と思ったのでした。だって、彼らは、昨日はワークショップを受けるお客さんの側だったのに、今日は主催者側として、町の人々に何かを届ける側に立っていたのだから。

その後、野村誠楽団の方々と、お昼ご飯。1時間半くらい、ずっと色々語り合いました。ワークショップの中では、音楽にずっと専念していたので、こうした雑談もほとんどできなかった。一緒にパフォーマンスした後に、初めて喋れたのが嬉しかった上に、彼ら/彼女らが、本番をすることを心底楽しんでいたことを言葉で知り、それも嬉しく思いました。

さて、こうしたランチタイムを経た後の2回目の公演は、ますますノビノビとしたものになりました。本当に濃密に2日間過ごしましたし、それぞれの方のお名前を知らないまま、本番を迎えたのでしたが、お互いに愛着のある仲間意識が芽生えました。各自が楽器を持って、野外を移動していると、本当に楽団のようだ、とメンバーが言います。「このメンバーで、また集まる機会が持てたら嬉しい」という感想もいただきました。一日だけの野村誠楽団は、本日を持って解散したのか、再結成されるのかは分かりません。ひょっとしたら、2月にAI HALLで砂連尾さんと公演する時が、何らかの形で再結成するチャンスなのかも、しれません。

台風でワークショップがキャンセルになり、こんな一日だけのワークショップメンバーと野外で2公演をする、という無茶をすることも、人生で二度とないでしょう。この難局を一緒に乗り越えてくれた仲間達(スタッフの方々も!)に大感謝。ありがとう。

ということで、明日はお彼岸。