野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ねってい相撲が大受け

イギリスのコーンウォールのペンザンスにて、美術家の山本麻紀子さんの巨人プロジェクトに参加。本日は、Alberton Schoolにて、year5(9歳)の子どもたち22人とのワークショップ。

 

山本麻紀子は、東日本大震災から間もない頃、水戸の公園で、巨人の気配を感じた。その巨人が、イギリスの巨人だと直感した山本は、すぐにイギリスの巨人について調べ始め、ペンザンスの巨人ホリバーン伝説にたどり着く。そして、協力に応じてくれることになったのがアルバトン小学校。5年間、この小学校で毎年巨人に関するワークショップを行ったし、水戸の小学生ともワークショップを行った。

 

当初、美術のワークショップを行っていた山本は、子どもたちと絵本をつくり、それを劇にした。劇にした時に、見えない存在の巨人を体感するために、音楽こそ有効なのではないかと考えて、野村にコンタクトをしてきた。

 

ペンザンスには、ミナックシアターという野外劇場がある。断崖絶壁のところに海を借景にした野外劇場だ。ここに住んでいた女性が、一人で50年間かけて、少しずつ切り開いてつくった劇場で、山本は、ここで巨人のパフォーマンスをするべきだと直感した。この人は、ほとんど全部、直感で決めている。ミナックシアターという劇場で何かをしたいと思った山本は、劇場での経験が豊富な音楽家のやぶくみこにも協力を要請した。そんな経緯で、一昨年、山本の企画で、野村+やぶで、アルバトン小学校で音楽のワークショップをした。

 

明日、山本麻紀子の5年間の総決算。ミナックシアターに子どもたちと行き、巨人に向けて、歌を歌い、楽器を奏でる。山本と子どもたちが昨年ワークショップで作った「巨人の落し物」を見せて、巨人を誘き寄せようとする。劇場でやるが、いわゆる人間の観客に向けて演ずるのではない。海に向かって、巨人に向けて演じるのだ。

 

だから、今日は巨人のために子どもたちと作曲した。巨人への歌をつくり、巨人に向けての楽器演奏を考えた。そして、日本の子どもが巨人のために作った歌も練習した。この3曲を準備し、最後に練習している時、ぼくは、思わず「ねってい相撲」をやりたくなって、急に「ねってい相撲」をした。すると、子どもたちが興奮して、真似をし始めた。みんな「ねってい相撲」が楽しくって、真似をした。盛り上がった。明日のパフォーマンスは、「ねってい相撲」から始まることになった。

 

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