野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

地蔵盆

町内会に参加しておりまして、炎天下の中、地蔵盆のテントの設営など、地元の方々と汗を流して準備や後かたづけに参加させていただきました。普段、地域であまり見かけない男性陣を多数お見かけすることができて、非常に新鮮な気持ちで交流させていただきました。

また、お寺さんのお参りも初体験で、我が家は浄土真宗なので、「仏説阿弥陀経」は諳んじるほど唱えてきてはおりますが、こちらでも「仏説阿弥陀経」でした。このお経の読み方は、実家の名古屋で聞く唱え方とは、富山でも、香川でも、そして京都でも、微妙に節回しが違い、面白いものです。

2年前、インドネシアに住んでいた時に、原発事故の報道を知った時、二度と日本の地を踏むことができないのではないか、と最悪のシナリオの覚悟をしました。原発事故に遭って、未だに放射能汚染に苦しみながらではありますが、こうして地蔵盆が続けていられるのは、本当にラッキーです。日本という国の国土全域が立ち入り禁止区域になる可能性だって、大袈裟ではなくあり得たと思います。こうして日本の地を踏むことができて、地蔵盆が続けていられるのは、最悪の事態を避けるために、原発事故の最前線で最善の努力をしてくれた方々のおかげだと、本当に感謝しております。そうやって、辛うじて残っている日本の風土や芸能を、味わえるのは、本当にラッキーで、今日もこの平和な地蔵盆の光景に出会えたことに感謝でした。我が家に子どもができて、いずれ我が子も参加できる日が来るように、世界を存続させていきたいなぁ、と祈りました。