野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

オルガン

アートスペース虹のオーナー熊谷さんのお宅に足踏みオルガンが眠っているという話があって、10月1〜6日の展覧会で、そのオルガンを登場させることになった。なんでも、40年間演奏されていなかったらしい。

本日は、虹まで行って、家の奥の奥から40年ぶりに引っ張り出されたという楽器を触らせていただいた。なぜか壊れて音の出ないはずの鍵盤まで音が出て、しかも、予想していたよりも遥かに良い音がした。このギャラリースペースで、本当に素敵な音色を奏でるのだ。この愛らしい楽器のために、オルガン組曲を作曲したい、と思った。

楽器の寸法などを計測しようとすると、熊谷さんが、「お邪魔でなければ赤帽に頼んで、お宅までお届けしますよ」とおっしゃる。実際にこの楽器に触りながら、これから1ヶ月半暮らしたら、どんな作品ができてくるだろう?お預かりできるのは有り難い。ということで、明日には我が家に足踏みオルガンがやってくるのだ。

その後、入院中の友人を見舞いに行く。久しぶりに顔を見ることができて嬉しかったし、面会時間をはるかに過ぎて、3時間半以上も語り続けてしまった。こうやって一緒にいられる時間というのは、本当に貴重だなぁ、と思う。

早く家に帰りたいだろうなぁ。家というのは、ほっとする場所だもの。病院で暮らしたり、仮設住宅で暮らしたり、避難所で暮らしたり、色々なケースがあると思うけど、家で暮らすいつもの日常というのは、本当に貴重なものだ。彼の入院生活が間もなく終わることを祈り、今日という一日に感謝した。