野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

本日の旅

タイ領事館に、ビザを受け取りに行く前に、タイでいただいたカセットを聴く。今日はポカポカ陽気で、タイ音楽、すっかり南国の気分になってから、大阪に行くと、無事にビザを取得。これで、インドネシアのビザとタイのビザを取得できたので、無事に東南アジアでの3ヶ月の調査プロジェクトに行けます。

京都に戻ると、桜は満開で、虫がウヨウヨと湧き出てきているように、人が花見に溢れ出ています。お花見をしたいところですが、打ち合わせに。ジャカルタでの演奏会の依頼を受けているというフルート/ピッコロ奏者の方から、インドネシアのことを教えて欲しいというので、インドネシアの音楽事情の情報提供にお会いしました。お話しているうちに、情報を提供するだけでなく、ぼくも曲を作ったり演奏したりして、一緒にジャカルタに演奏に行く方が良いような感じになりました。そうなると、ジョグジャでも、フルート奏者のためのワークショップや作曲家のためのレクチャーやコンサートもやった方が良さそうな気がしてきます。ジャワ舞踊家の佐久間新さんをはじめとする方々のご好意で、ぼくもジャワの素敵な音楽家やダンサーの方々と出会えました。そうして受けたご恩は、ちゃんと別な形で、ぼくもお返ししていく方がいいし、日本からフルーティストが来たら、インドネシアの人々もきっと嬉しいだろうし。色んな意味で、恩返しをしていければ、と思います。

家に帰ると、素敵な声を発するアーティストが我が家に泊まりに来ていて、夜行バスの疲れで、寝ておられました。我が家には、色々な方々が泊まりに来られます。その後、お目覚めになったお客さんと家族みんなで宇宙へ行こうと相談し、徒歩の銀河鉄道で出発。不意に友人達が始めたアトリエに臨時停車し、お茶をいっぱいいただき、夜桜やお地蔵さんを経由して、ガリバー旅行記の宇宙に辿り着きました。ぼくは、子どもの頃、作曲家か天文学者になりたくて、「星のワルツ」を作曲したのです。星のソムリエに出会えて、様々な星雲/星団を眺めて、この小さな小さな地球の小さな小さな島国の小さな小さな京都市の中の小さな小さな出会いを味わう喜びなのです。そして、声をかけた人から予想外に、1年かけて世界を一周した話を聞き、イースター島の高波や南米の標高4000mの薄い空気やインドの混沌や台湾の夜市の骨董品を経て、無事、この世に着陸することができました。