野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

寄り道教育

野村誠作曲「DVがなくなる日のためのインテルメッツォ」(2001)が、本日マレーシア(クアラルンプール)にてRoss Careyによって演奏されたはずです。ぼくは聴きに行けませんでしたが、、、。

本日も出雲滞在中。出雲大社を再度参拝。しかし、歩いていると魅力的な路地があり、ついつい脇道にそれてしまい、目的地に辿り着きません。そうこうしているうちに、山の中の神様に出会ったり、湧き水に出会ったり、樹齢千年の木に出会ったり、巨大な岩に出会ったりします。

ゆとり教育」という言葉がありますが、こうやって目的地に辿り着く前に寄り道をする余裕があると、目的地に最短距離で行かずに済んで、随分と余計に豊かな体験ができます。「ゆとり教育」という言葉の指す本来的な価値は、こうした「寄り道」の豊かさを保証することで、こうした寄り道の余地を作ることで、実は学ぶ内容量/体験する内容量は、断然増えてしまうのだなぁ、と思います。「急がばまわれ」とは、よく言ったものです。

作品を創作する時もそうで、短時間で最短のプロセスで作品を作るよりも、一見無駄と思われるプロセスを経て作っていくことの豊かさって、非常に大切だと思います。創作プロセスで、こうした寄り道や脱線の余地を以下に保証する環境があるかで、随分と生まれてくるものが変わってきます。

うらら館で開催されている「出雲市無形文化財発表会」で、大土地神楽を鑑賞。ホールの照明とマイクがある舞台で舞われる神楽を観るのは、何とも不思議な体験で、それを鑑賞しながら、実際の情景を脳内で想像しながら鑑賞しました。

夜、幸運にして大土地神楽保存会の方々とお話をする機会が持てました。