野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

無関係が関係した参づる舞鶴

2年ぶりに、遠田誠のダンスとのコラボレーションを満喫しました。「色即是空、空即是色」とは、このことかなぁ、と思います。

そもそも、「福岡市美術館」に展示してある美術作品は、楽譜でも何でもありません。でも、それらを楽譜だ、と思った瞬間に、それは楽譜になってしまうのです。そして、ワークショップで21の音楽が生まれました。

でも、そうした音楽は、ワークショップの現場にあるだけで、その場限りの物だったはずです。なのに、それを、よりによって、ピアノ曲にしてしまったために、ピアノのための21の小品「福岡市美術館」が誕生しました。

でも、そうした21の音楽は、ダンスとは、全く無縁でした。でも、そうした音楽が、実はダンスのための音楽だ、と思って、遠田誠と高須賀千江子のデュオで、ダンスを作ってもらった結果、ダンスのための21の小品「福岡市美術館REMIX」が生まれたわけです。

でも、そうしたダンスは、舞鶴という土地とも、舞鶴市民とも、全く関係なかったはずなのですが、この21曲が「参づるダンス 参づるピアノ 参づる舞鶴」と思った瞬間に、このダンス作品は、舞鶴のためにあった作品のように振舞い始めるのです。

ワークショップの参加者が、順番に特技をしていくだけのシーン。皿回しと、縄跳びと、岸壁の母と、ベリーダンスと、自衛隊の号令と、、、、、、、、無関係が関係していきます。

21曲は、個々には無関係で、それにつけた21のダンスの羅列も、脈絡はありません。でも、21のシーンを並べていくと、やはり無関係が関係していきます。地球の偶然は、宇宙の必然。だんだん、全てが必然のように感じられていくのです。ぼくたちは、どうして、こんなに無関係の中に関係性を読み取り、ナンセンスの中に意味を見出してしまう生き物なのでしょう。

だから、この無関係の偶然の必然の関係を、宇宙に導かれるままに、他力で無理せずに、続けていきたい、と思います。このピアノ曲と、このデュオダンスは、まだまだ成長していく予感がします。長い付き合いになりそうです。

2月11、12日のピアノソロのレコーディング、2月18、19日の「復興ダンゴ」、そして、今日の公演と、野村のピアノソロ3部作が終わりました。明後日からは、「お風呂」と「ダジャレ」にシフトします。3月17日の「風呂フェッショナルなコンサート」に向けて、現在、密かに「ダジャレ作曲」をしております。

今日は楽しい〜〜〜ひなまつり〜〜〜〜〜

でした。