野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

本当の文化センター(眞的文化中心)

高雄市の文化中心(文化センター)前の広場で、秀芽さんと薫さんとのセッション。演奏は、野村誠+やぶくみこ、映像撮影は、野村幸弘。そして、昨日までお家に泊めてもらっていたライターで写真家のメイ(謝美萱)が、カシャカシャと写真をとるセッション。

秀芽さんと薫さんは、裸足で地面に立っています。天と地の間に人がいる、という秀芽さんは大地を直接感じて動こうとしています。原発事故以降の日本では、野外で裸足で大地に立つということは、なかなかできないので、羨ましくもあり、得難いことでもあり、裸足で大地に立って演奏しようと思いました。

秀芽さん、薫さんは、ジャワで出会った舞踊家達にも通じる感性を持っておられるなぁ、と共演してみて感じました。台湾の武道や気功や太極拳は、どこかでジャワ舞踊と通じているのでしょう。セッションの後、思わず、木の幹に鍵ハモをあててみて、気がついたら、木とセッションをしていた自分がいました。

セッションが終わった後、台南に行こうと考えていたのですが、再び秀芽さんのお店「御書房」に行って、朝ご飯から、高級な烏龍茶から、昼ご飯、デザート、違った種類の薬草茶や果実茶などを、次々に御馳走になってしまい、その間に、様々なお話を交わし合い、絵本の紹介から、漢詩を台湾流に読む「台語宋詞吟唱」を披露していただいたり、原発劣化ウラン弾の話にもなり、鎌仲ひとみさんが御書房に来られて上映会やったお話なども伺いましたし、彼女が台東の方に作った自然の中の合宿所の話、農業や食の話など、話題は尽きることがありません。「生活芸術空間」という副題を持つスペース「御書房」は、本当に素敵な場で、こここそ、真の文化の中心という意味での文化センターだ、と言ったら、かつて、そのように雑誌に紹介されたこともある、と秀芽さん。

ということで、明日も秀芽さんのワークショップがあったりするらしいのですが、今夜は、台北で夕食の約束をしてしまっているので、ギリギリまで高雄にいて、新幹線に飛び乗り、台北へ。それにしても濃密な2泊3日でした。

台北では、福岡アジア美術トリエンナーレ2009でスタッフをしていた大嶋暁子さん、同トリエンナーレ出品作家のサウンドアーティストヤオ・ジョンハン、そして、ミュージシャンの黄大旺さんと夕食を共にしました。

黄さんは、ヤオさんが関わっているLacking Sound Festivalの動画をネットで予習した際に、気になった人物だったので、紹介してもらうことにしたのです(左側の人)。

そしたら、この人、大阪に5年ほど住んでいたらしく、日本語も上手で、共通の知人も多く話もはずみまくり、いっぱい笑わせていただきました。

ヤオさんと、ヤオさんの友人のサウンドアーティストと、明後日会う約束を、そして、黄さんとは、その翌日に会う約束をしました。台北でも、相当濃い日々が待っていそうです。