野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

No plan is the best plan. 御書房にて

メイから、1)史跡、2)景色の良いところ、3)地元の生活、の3択を示される。そこで、地元の生活を希望。また、是非、お茶を味わいたい、とのリクエストをする。すると、メイとジュディが、素敵なお店(御書房)へ連れて行ってくれました。

御書房は、生活芸術空間という副題のついたお店です。ゆったりとした空間、書棚や、ハンドメイドの服の販売コーナー、食べ物も有機野菜などを使う、など、生活を基盤にしたアートのお店。

http://www.wretch.cc/blog/usf3556

美味しい鍋に大満足の後、お茶を飲むことに。ここから、事件は始まりました。メイが、自分達は中国茶の入れ方をちゃんと知らないから、と言って、お店のオーナーの秀芽さんに、お茶の実演をしていただくことになったわけです。こんなスペースを運営する秀芽さんは、こだわりの人で自然体の方で、見るからに素敵な人だったのですが、この人が説明しているうちに、
「実は、日本人の友達が来ているから、通訳してもらいましょう」
と、向こうのテーブルでお食事をされていた薫さんを呼んで来て、その後、薫さんの通訳によるお茶の会が始まりました。

ところがです。有機烏龍茶が素晴らしかっただけで大満足だったのですが、話していくうちに、薫さんと秀芽さんは、気功やコンタクトインプロヴィゼーションなどをする仲間であることも分かり、気がつくと、これから文化中心(文化センター)の前の広場に行って、セッションをしよう、という話に、一気に展開しました。

そこで、移動しようとしたところ、薫さんや秀芽さんのお友達が、是非演奏を聴きたい、とリクエストがあり、突如、店内でライブが始まったわけです。演奏が盛り上がっただけでなく、演奏後、秀芽さんが、金一封を包んで渡してきました。お断りしたのですが、アートを支援することを、非常に大切にされているとのことで、別な形でお返ししていき受け取るのが良いのでは、とのアドバイスもあり、お受け取りました。まさか、こんな展開になるとは、予想外でした。

そして、秀芽さんと薫さんとの文化中心前の広場でのセッションは、翌朝に仕切り直すことにして、今日は、観光に行くことに。観光地(蓮池潭)を歩いて、その後、裏道に入った中で、伝統的な椅子づくりの職人さんがいました。そして、椅子づくりの作業に合わせて鍵盤ハーモニカを演奏。椅子づくりの作業が非常に音楽的で、予想外にも撮影もできてしまいました。

夜は、台湾食のテイクアウトを家で食べながら、メイの書いている雑誌の記事などを見せてもらったりしました。教育系の雑誌らしいのですが、とても雰囲気のある雑誌。反原発の特集があったり、農業の記事があったりもします。現在、台湾では、大統領選がもうすぐらしく、一人の候補が原発反対、もう一人が推進らしいです。日本の原発事故の事情なども、報道は非常に制限されているようです。我々が伝えていかなければ、と思わさせられました。

メイの素晴らしい写真による高雄での日々のドキュメントは、こちら。
http://www.flickr.com/photos/meihsuanyi/sets/72157628429530757/