野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

高雄のアート事情

高雄の美宣(メイ)のお宅に宿泊中。朝食を食べながら、語り合う。4月の台北の学生達の議会占拠以来、学生と政府の平衡状態は続いているが、時間が経って、人々の注目が薄れてきている。注目し続けること、このことを多くの人々に伝えていくことが、学生達への一番の応援になるだろう、とのことだった。

高雄のもう一つの故郷とも言える御書房を訪ねるが、店主の秀芽は台東に出張中でいなかった。その後、駁二藝術特區へ。ここは、港の近くの倉庫群を巨大なアートセンターとして活用している。大阪のアーツアポリアとか、横浜のBankARTとか、日本でもこうした事例があるけれども、高雄でもあった。ここが、なかなか良いのです。

http://pier-2.khcc.gov.tw/j_content/about/about01.aspx

その後、高雄市立美術館に行く。単に、普通に美術展を見ようと思って行ったのに、戦後の台湾の音楽を網羅した展覧会「Altering Nativism - Sound Cultures in Post-war Taiwan」をやっていて、仰天した。原住民の音楽の映像があったり、貴重なレコードがヘッドフォンで聞けたりして、70年代のグループサウンズみたいな音源もあれば、少数民族の子ども達とワークショップをしてムックリみたいな口琴を作って演奏している音源があったり、かつてあった歴史的な音楽批評の雑誌が展示されていたり、アンダーグランド音楽の歴史的映像など。そして、展示の仕方も魅力的。最後には、大阪にもいた黄大旺や、福岡トリエンナーレで一緒だったヤオ・ジョンハンのLacking Sound Festivalだったり、さらには、田中悠美子さんが映っているポスターや、台湾人と梅津和時さんんがセッションしている映像まで。9月までやっているし、日本の美術館関係者、音楽関係者、是非、この展覧会をお薦めします。

http://www.kmfa.gov.tw/KMFAENG/home02.aspx?ID=$1001&IDK=2&EXEC=L&DATA=895&AP=$1001_HISTORY-0

この後も興奮して、メイの家で語り続けましたが、詳しくはまた明日の日記で。