野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

杵屋正邦の邦楽落語

北斎音楽」のリハーサルで、東京におります。明日には、小布施(長野)入りします。で、野村誠北斎漫画四重奏曲」全7曲のリハーサルに立ち合いました。

卓越した技術とセンスを持ち合わせた演奏家の方々とのリハーサルは、大変楽しく、時間があっという間に過ぎてしまいます。

「潮干狩」は、技術的に今回の最難曲なので、演奏家の方々もかなり苦労されておりましたが、徐々にええ感じになってきました。「鳳凰」は、尺八の「おどろおどろ系」の演奏が本当に味わい深く楽しめます。「富士越龍」は、ジャワ・ガムランが日本に伝わって和風に変化した曲ですが、4つの音色が解け合っていくと、本当にうっとりします。「Onami Menami Circuit」は、北斎の「男浪」と「女浪」という画を見ながら聴くと、さらに想像力が膨らみました。通称「寸劇コーナー」と呼ばれる「間奏曲」の稽古風景は、演劇の稽古のようですが、なかなか皆さん役者です。「序曲」や「後の祭り」も、いい感じに仕上がっております。

リハーサルの後、竹澤さんに聞かせてもらった杵屋正邦の「邦楽落語」というのが、面白かった。三味線で弾き語りする落語で、現在、これをやる人は、非常に少ないらしく、竹澤さんは、その何曲かに挑戦中とのこと。杵屋正邦の三味線の器楽曲を何曲か聞いたことがあり、非常に優れた作曲家だと、かねてから思っておりましたが、本当に色々な試みをされているのですね。

今回の「北斎漫画四重奏曲」には、三味線が描かれていないため、三味線は登場しないのですが、三味線の曲も、また作りたいなぁ、と思います。

10月30日(日) 北斎音楽@北斎ホール(長野県小布施町)、予告編映像は、こちらです。是非、来て下さいね。まってまーす。