野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

福岡市博物館REMIX

野村誠の左手の法則」の7月17、18日の公演(@アジビホール)に向けて、上田謙太郎くんと映像編集。

1)倉品淳子さんの演劇ワークショップを編集

演劇の中に音楽を探す。台詞は、音楽だと思って聞くが、やはり言葉の意味が強く、台詞は台詞に聞こえてくる。そうやって、見ていくうちに、気づいたこと。二人以上が同時に喋っている場面が、非常に音楽的(合奏のよう)なのだ。主に、口論をしているような場面が多いのだが、二人以上が同時に喋っているところが、いくつもあって、そこをループさせると、まさに音楽に聞こえてくることが分かった。

2)吉野さつきさんのアートマネジメント講座を編集

プレゼンしている声の中から音楽を探そうと思った。ところが、意外に、声はしっかり録音されていないし、他のグループの声とも混ざって、インパクトが薄い。そこで、方針を変えて、プレゼンの中にダンスを探した。すると、出てくる出てくる。最も強調したい場面で、身振りや手振りを織り交ぜて喋る瞬間が、誰でも2秒くらいはあるのだ。そういう2秒を集めて、それぞれループさせる。すると、自然に声もパターンを形成する。それは、スティーヴ・ライヒの音楽に似ている。演劇通の人に見せたら、「チェルフィッチュ」という劇団のパフォーマンスに似ている、とのことだった。

3)遠田誠さんのダンスワークショップを編集

これは、ワークショップで音楽を作り、それに合わせてダンスをしているので、どう編集しても、音楽になりダンスになるので、編集としては、スムーズ。怪しげな儀式のような映像が出来あがる。

4)野村誠の音楽ワークショップを編集

これは、音楽ワークショップなので、できるだけダンス的な動きを抽出するようにした。そうやって抽出してみたところ、音量がフォルテなシーンと、音量がピアニッシモなシーンがいくつも見つかった。渋い音のシーンは渋い音でまとめて一作品作り、元気な音のシーンは元気でまとめて一作品作った。

という4つの映像に合わせて、野村誠がピアノを弾く新作は、7月17、18日に福岡で初演します。

ちなみに、同じコンサートで取り上げる「老人ホームREMIX」の3月の初演時の予告編は、こちらです。