野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

野村誠のポスト福岡について1

ということで、福岡での全公演を終了し、福岡を後にする。

福岡で行ったワークショップから作品が生まれ、その作品は福岡を離れた後にも生き続ける。ポスト福岡について考えながら、福岡を発つ。

1)遠田誠とのコラボレート

昨年、ピアノのための21の小品「福岡市美術館」を作曲し、今年は、遠田誠+高須賀千江子によるダンス作品が生まれた。この作品は、福岡で生まれた作品だが、今後、何度も再演を繰り返していくと思う。ダンス初演は、ピアノのための21のダンス「福岡市美術館REMIX」として行われたが、再演にあたり、このダンス作品自体にも新しいタイトルがついてもいい、と思う。今回は、野村の作曲した音楽に遠田(+高須賀)が振付けたが、逆のパターンもあり得る。ポスト福岡として、野村誠と遠田誠はコラボレートしていくだろうし、遠田と高須賀のコラボレートも続くだろう。

2)自分が喋っている映像

映像とピアノのための「福岡市博物館REMIX」を作曲した。ワークショップの映像を編集して作品を作った時に、見られることを意識してダンス/演劇/音楽をしている映像よりも、見られることを意識していないアートマネジメントのワークショップの映像の可能性を強く感じた。また、マッサージをされる吉野さつきさんのインタビューも非常に説得力があった。人がプレゼンをしている時の身振り/仕草などは、非常に面白かった。ポスト福岡としては、今度は自分自身が題材になって、ぼく自身が喋っている映像をもとに、作品を作ってみたい。大井浩明委嘱の「6つの新しいバガテル」の中の「Chanson」という曲を、そうやって作ってみたい。

3)ピアノ

福岡での公演は、どちらもピアノで自作を演奏するコンサートでもあった。今後、ピアノで自作を演奏するコンサートの予定はないし、まして、インドネシアに1年住む間、ピアノに触れることができる環境を得ることも難しくなると思う。インドネシアで1年、どうやってピアノを弾いていくか、は全くの未知数。国内で次にピアノのコンサートをするのは、少なくとも一年以上先で、その時にどんなピアノを弾くのか、それまでのピアノのない生活をどう過ごすかは、大きな大きな課題。

続きは、明日の日記に