野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

いつの間にか、銀河ステーション

鳥取に来ております。今年の11月2日、3日に、とりアート・メイン事業として「銀河鉄道の夜」の公演を行います。これは、木野彩子さんという宮沢賢治をこよなく愛するダンサーが鳥取に住んでいて、賢治の思想に共鳴する木野さんに共鳴して、ぼくたち門限ズ(=音楽の野村誠+演劇の倉品淳子+ダンスの遠田誠+マネジメントの吉野さつき)が、鳥取市民と一緒に作品をつくっていくことになったわけです。いわゆる市民参加型ミュージカルという枠組みに留まらない、移動型の公演であり、町の中での様々なプロジェクトから生み出される作品になる予定なのです。

 

本日は、「鳥取の8ミリフィルムで即興作曲&演劇 試演会」をやりました。HOSPITALEプロジェクト「すみおれアーカイヴス」が集めてきた昭和の鳥取を記録した8ミリ映像を上映し、それに、野村が音楽、倉品さんが演劇で、即興する、という試み。映像は即興で何も合わせてくれないので、映像に合わせて、我々が即興をするのです。本日、野村は、鍵盤ハーモニカに、ルーパー(ループをつくるエフェクター)をつないで、即興をしてみました。これまで鍵盤ハーモニカにエフェクターをつけて演奏することは、したことがなかったのですが、4月の門限ズのプラネタリウム公演では、ピアノもないし、音楽は野村一人だし、今日は試演会だから試してみようと思って、ルーパーを購入してみて、いろいろ多用してみました。倉品さんの即興演劇は、映像の展開が読めないのに、思いっきりよくキャラクターを設定して演じ、本当に面白い。即興の醍醐味を満喫。11月2日、3日の鳥取での舞台にも、こうした昭和の風景を写したフィルムとパフォーマンスが共存する場面ができそう。大きな収穫。

 

その後、野村の音楽ワークショップ「いつの間にか、銀河ステーション」。野村が導入に、「鍵盤ハーモニカ・イントロダクション」をやって、正解は一つではないこと、いろいろ考えてよいこと、を共有した上で、自由に楽器を触ってもらう。ジョバンニチーム、カンパネルラチームに分かれての演奏。ルールを決める。(ザネリと言ったら終わる。「とりとり」と言ったら、鳥をとる仕草をしながら声を出す。銀河鉄道と言ったらみんなで演奏。)その後、「銀河鉄道の夜」の中の「銀河ステーション」のシーンから、ランダムに言葉を抽出し、その言葉を合図に、6グループが切り替わって即興演奏。朗読に合わせて即興演奏などを経て、それらの言葉を使った歌を、作曲。最後は、みんなで歌い上げ、「いつの間にか、銀河ステーション」という曲が1曲できる。

 

すきっと立つ

窓から頭

おかしな気持ち

ジョバンニはその

すすきの風

ぱいに光って

 

そして、鍋を食べながらの交流会で夜が更けていく。