野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

門限ズと遊び、クリエーションも進む

藤浩志さんと門限ズと鳥取にいる。このメンバーで一緒になったのは、2017年のえずこホール開館20周年企画だ。20周年の時に、このメンバー以外にも色々な人がいた。出演者の一人だったのが、安冨歩さん。その安冨さんは、参議院選挙に立候補されていて、びっくりした。投票日は明日。立候補自体に驚いたが、選挙活動の様子も驚いた。(YouTubeなどにアップされているものが見れたりする)。あの人が、名前を連呼するような選挙活動するわけはないのだが、馬を連れて町の中で子どもたちと対話するようにして、言いたいことを語っている安冨さんの声は、有権者のみならず、選挙権のない人々の心にもいろいろな形で伝わっていると思う。

 

クロスジャンルバンド門限ズのワークショップ。本日は、倉吉未来中心にて開催で、とにかく面白かった。なんで、こんなに面白いのだろう。40名を超えるワークショップ参加者が集い、

 

13時ー13時45分 門限ズと音あそび

14時ー14時45分 門限ズとボディワーク

15時ー15時45分 門限ズとお芝居

16時ー16時30分 門限ズとミニミニ発表会

 

というプログラムを次々にやっていくこと自体が、贅沢な時間だった。野村のワークショップがたった45分しかなくって終わる。それに続いて、遠田誠のワークショップがたった45分だけで終わる。続いて、倉品淳子のワークショップがたった45分だけ。そして、吉野さつきのフォーラムが30分。全部トータルすると3時間半で、その間に参加者が音楽をやったり、ダンスをやったり、演劇をやったり、生と死について語り合ったりした。そして、何も関係ないことを断片的にやっているようでいて、全部が繋がって一つのシーンになっていく。そうした遭遇のアートを、ぼくは美しいと思う。

 

世界は分断されていて、出会えなくなるギャップがいっぱいある。その溝をどうやって乗り越えるかを、越境とか多様性とか人々は言うけど、そんなに簡単なことでもないかもしれないけど、でも、簡単なことでもある。それを、今日のワークショップの参加者の人々は、実体験として実証してくれていたと思う。

 

乳幼児からお年寄りまで、国籍や障害もいろいろ混ざって、40人以上の人々がこんな風に時間が過ごせるんだ、というのが、やっぱり、体感できると、世の中は捨てたものでもないと思う。

 

とりあえず、今日のメモ。

 

音あそびの時間は、ノム(野村誠)の進行で。鍵盤ハーモニカ・イントロダクションで導入の後、「ねってい相撲」の動きをみんなでやってみる。続いて、四股を踏んで、手拍子でリズムをとる。そして、「今こそ渡れ渡り鳥」の言葉のリズムで、グループごとに手拍子でリズムをつくり、最後は、それを楽器で発展させて、グループごとに発表。

 

続いて、ダンスの時間は、エンちゃん(遠田誠)の進行。遠田の即興ダンスに、門限ズのメンバーの楽器や朗読などが重なり合い、気がつくと、観客が巻き込まれて一緒に踊る。その後は、「牛乳」という言葉からダンスをつくったり、「カンパネルラ」からダンスを作ったり、「トリトリ」からダンスをつくったりして、最後は、グループごとにそれらのダンスを組み合わせて発表。

 

続いて演劇の時間は、ジョホンコ(倉品淳子)の進行。倉品の一人芝居に始まり、10人で一つの台詞を言うのにチャレンジ。その後、「銀河鉄道の夜」を40人で即興的に分担しながら群読し、それに合わせて、タイタニックのシーンのダンスや賛美歌を重ね合わせてシーンができる。

 

最後は、メイ(吉野さつき)の進行でのフォーラム。生きることと死ぬことについて語り合う。フォーラムとダンスや演劇や音楽が重なり合う実験もして、終了。

 

演劇も音楽もダンスもフォーラムも、全てに積極的に参加してくださったみなさん、ありがとう。倉吉は、1日限定だけど、明日からも鳥取でのクリエーションは続いていき、11月2、3日が終着点。それに向けて、手応えと収穫も多い1日だった。

 

帰り道に、ゲストハウス「たみ」に立ち寄り、蛇谷さんと打ち合わせして後、鳥取に戻る。明日は、いよいよ合同クリエーション。