野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

300年

家具デザイナーの田中英一さんの自宅/アトリエを訪ねる。

木としての寿命が、100年とかあるので、それを使った家具には、その倍は使われて欲しい、と言う。10年、20年で使い捨てされることが多い使い捨ての時代に、木と対話して、300年規模で考えて生きている人と出会って、ぼくが彼に椅子や机をオーダーしたら、その椅子や机は、孫の代まで使うのだろうな、と考える。ってことは、注文するならば、まず、それだけ先の自分の人生や未来を考えて、それを前提に、制作してもらうことになる。

木に表情があって、その木の表情を生かしながら、一つ一つの家具を製作しているので、家具になっても、木は生きているのだなぁ、と思った。生きている家具に囲まれて生活するのは、全然違ってくる。

それにしても、300年というスパンで、自分の人生を眺めると、違った風景が見えてくる。


http://www.labo-style.com/