野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

鍵盤ハーモニカ時代〜ロンドンでレクチャー・コンサート

国際交流基金ロンドンオフィスで、鍵盤ハーモニカのレクチャー・コンサート。予想以上の多数の申し込みがあり、可動壁を取り外しての超満員。熱気がスゴイために、扇風機を多数稼働。原稿を用意して行うトークは、人生で初。1)鍵盤ハーモニカとの出会い、2)鍵盤ハーモニカの歴史、3)様々な奏法、4)鍵盤ハーモニカ・アンサンブル(P−ブロッ)、5)鍵ハモトリオの新作委嘱、6)今後の可能性(ワークショップなども含む)の6項目について、語りました。

また、ミニコンサートでは、片岡祐介Andrew Melvinと3人で、1)田中吉史「うろおぼえの旋律とコラール」(UK初演)、2)近藤浩平「ふがいない戦士達」より第1曲(UK初演)、3)野村誠「べルハモまつり」(UK初演)、4)Andrew Melvin「トリオ」(世界初演)の4曲を演奏。世界初演のアンドリューの新曲は、今までの鍵ハモトリオにはない新傾向の作品で、傑作でした。

鍵ハモトリオの演奏は、3人での練習時間が短かったのと、レクチャーの直後に、休憩をはさまずに演奏に突入したので、ベストの演奏ができたとは言いきれませんが、レクチャーの中で紹介する事例という次元では、なんとか、といった感じだったかなぁ。でも、とにかく、日本での鍵ハモ大ブーム状況を、海外に伝えるという意味では、2008年7月のベルリンでの鍵ハモサミットに続いて、大きな事件だったと思います。鍵盤ハーモニカ時代の到来です。

質疑応答でも、「ガムラン音楽のどんなところに興味を持ったのか」とか、「ワークショップで作った作品は、即興の要素が多そうだったが、どの程度リハーサルをしたのか?」、「写真を題材にワークショップで作品を作ったのは、なぜ、どのように?」、「鍵ハモのつばぬきはネジよりもレバーの方がデザインがいいのでは」など、良い質問が飛び交い、もっと質問に応じたかったのですが、時間切れ。とにかく、反響の大きさを感じました。

日本から、尾引浩志、倉品淳子、吉野さつきの3名も到着しました。