野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

KCC3日目

本日、保育園に行くのが3日目の最終日。今日は、絵を描いてもらって、それを楽譜として見てピアノを弾いてもらったり、動いてみたりした。

例によって、ビデオを分析。今日は、ビデオを見ながら、根源的な問いが出る。例えば一日目の最初の問いは、


kcc-Q1. ピアノと太鼓と木琴を続けて演奏する時、子どもたちは、どうしてピアノと太鼓は一音だけで、木琴だけたくさん演奏するのか?


でしたが、今日の問いは、




kcc-Q11 全ての作曲家は振付家か?全ての振付家は作曲家か?


kcc-Q14 大人が子どもが作曲(振付)した音楽(ダンス)を演じて、楽しめるには、どういう条件が必要か?子どもが大人が作曲(振付)した音楽(ダンス)を演じて、楽しめるには、どういう条件が必要か?




などです。子どもたちの映像を分析すればするほど、どんどん深みにはまってしまう。また、夜の大人のワークショップで、映像を見て、それを言葉に翻訳してもらって




kcc-T45

ひやかす聴衆。
手を握り、身をくねらす。
自分の思考を口から手に込める。
椅子に座って、指令を解読しようとする。
ためらう足。決意して始めの音を探す。
同意を求めて周りを見渡す。
誰かが背後から近づいてくる。そして何かをささやく。
はっきりしない音を出す。世界の見え方が変わる。
楽譜のにおいをかぎながら、楽譜に尋ねる。
世界に認められる一音を鳴らす。






というものができました。しかし、こうした言葉が出てくる楽しさがあると同時に、ヒューに翻訳をする作業が多くなり、通訳を入れれば入れるほど、ワークショップの進行がゆっくりになるので、ヒューが訳さなくていいと自ら言い、せっかく音楽やダンスなのに、言葉を介してする作業が増え、ヒューとのやりとりにやや苦労する。

明日は、もっと言葉を使う量を減らしたい。

3日間の収集数は、

Techniques 50、Approaches 17、Questions 14

になりました。1月18日は、入場無料で、インフォーマルな雰囲気で、映像や実演などをまじえて、KCCを紹介します。終演後は、ポストパフォーマンストークとして、14の疑問についてのミニフォーラムもやろうと思っています。興味のある方は、ぜひお越しください。