野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

即興で音楽とダンス

今日は、ヒューのワークショップ。「ヒューさんと即興で音楽とダンスをつくる」。新井英夫さんと野村誠のコーディネートで行いました。自分で主催して、参加者を集めてワークショップを運営するというのは、なかなか大変な仕事でしたが、無事に定員にもメンバーが達したし、いい感じのメンバーが集まってくれたし、ケガやトラブルなどもなく開催できたので、企画者としては、うれしい限りです。普段は、自分がやってもらっている役割を、今回はやってみて、いい体験になりました。

で、音楽家のヒューは、生まれて初めてダンスのワークショップをすると、昨夜はなかなか寝付けなかったそうです。4時間があっという間でした。

1 名前を各自、動きと音でやる→全員分が集まったところで、それを組み合わせて全員で「短い即興」。この「短い」は、なかなか長時間続いた。

2 HTML これは、今朝ヒューが見た夢による。といっても、ただ「HTML」というだけの情報しかない。パート1として、Hugh's Themes Movement List これは、各自が携帯電話の番号を紙に書き、それぞれの数字ごとに各自で動きや音を当てはめて自分の10桁の動きや音を創作する、というもの。そして、これをソロでやったら、4人でやったりした。他の人と無関係が関係していくところが面白い。ヒューの指揮で、色んな組み合わせも体験した。

2’ HTMLのパート2 High Tempo Music Laughter これは、タイトルだけでルールなし。

3 Kelman Lines 線を引いて、こっちは観客、こっちはダンス(動き)、こっちは音楽、と3つの領土を作って、各自がその領土を移動したら、役割が変わる、というのをやった。これは即興演劇のScot Kelmanのやり方に着想を得たもの。2回目は、境界線を移動させる役の人を設けたり、全員が観客からスタートしたり、とルールを変更。途中で、観客とダンスのエリアが交代する瞬間が面白かった。

4 Birds これは、友人の詩人が書いた鳥についての詩集のページを一枚配り、そこから1語選んで(英語の意味が分かろうと分かるまいと)、それを動きや音で表現する、というのをグループでやった。ただし、いくつかの部屋に分かれて活動できないので、相談だけで作って、発表するまで一度も演じないことにした。Absolute, London, Woman, Twizeer, Spearという単語が選ばれた。頭の中で想像しながら作って、いきなりやってみるのは、自分が作曲した曲の音を初めて聴く感覚にも似ている。

5 うた温泉 気持ちよくて寝てしまった。

その後、韓国料理屋で打ち上げ。ヒューの東京での濃密な10日間が、これで終了。本当にお疲れさま。皆さん、ご感想など、ぜひお聞かせください。