野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

The House Where Songs Live

歌の住む家@三田の家で、ヒューの歌づくりのワークショップ。今回、ヒューが歌づくりのワークショップをするのは今日だけ。彼は歌作りの人で、ぼくに比べると、圧倒的に歌を多く作っていて、ぼくは圧倒的にインストの音楽を多く作っている。

一つ思ったのは、英語の歌には、verseとchorus、そして、bridgeなどからなる定型の形があって、それをみんなが知っていることを大前提でヒューは話している。でも、日本の歌というのは、あまり、そういう形式にはなっていないし、verseやchorusに対応する日本語がない。

「今年はちがう」という歌ができたが、2004年にヒューと「ホエールトーン・オペラ」を始めた時と、今の日本のアートシーンの状況は随分変わってきているように感じる。

歌の住む家は今日が39回目のワークショップだそうで、作った歌をみんなが共有しているし、色んな歌があって、いい感じだった。これが50回、100回と続いていったら、とんでもないことになるんだろうなぁ、と思った。ぼくが継続プロジェクトとして続けているのは、老人ホームのさくら苑。10年間で70〜80回くらい通っていて、そこで歌を作り続けているけれど、歌の住む家とさくら苑でどんなコラボレーションが可能なのだろう。ヒューは、The House Where Songs Liveという言葉が気に入り、イギリスでの彼の歌作りのプロジェクトとコラボレートする可能性について、考え始めていた。

このワークショップでできた歌を鶴見幸代が編曲した譜面を見て、ヒューが、ワークショップでできた音楽をプロの音楽家が編曲していくケースはイギリスでは全くないけど、これは、日本のNew Traditionで、とても面白いと思うと言っていた。