野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

パルス・パラノイア

本日も、ヨーク大学の授業に飛び入り参加。
いろいろ、ウォーミングアップのための活動などを紹介したり、学生がやっていくのを見て、イギリス人の人々はよくも悪くも、拍をキープすることに、偏執狂的だと思いました。これが、今日の発見。

拍をあわせようとしなくても、みんなでたたいていれば、なんとなく合ってきたりするし、逆にクセナキスやナンカロウやリゲティの音楽のように、各自が見事に違ったテンポでバラバラに演奏することの方が、難しいのにな、と思いました。パルス・パラノイアだ。いずれ「パルス・パラノイア」というタイトルの曲を書こうかな。

これは、ホエールトーン・オペラの「どうやって実がなるの」でやったことですが、自然にいつの間にか、全くのトーン・クラスターが協和音に近づいていきます。全員で同時にリズムを始めれば、最初は全く全員が違ったテンポで始められますが、しばらく続ければ、だんだんあるビートが生まれてきます。逆に合わせないことの方が難しい。

14年前にヨークで受けたBruce Coleの授業と同じエクササイズを彼がやったのが、面白かったです。