野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

コミュニティ・ミュージックって何でしょう?

神戸大学にレクチャーに行きました。
タイトルは、「コミュニティ・ミュージックって何でしょう?」
これは、コミュニティ・ミュージックについて説明するものではなく、ぼくの活動について語りながら、この問いについて考える会。

今日、自分で語ってみて、印象に残ったことは、

・ファシリテートは、「簡単にする」という意味があるが、創造の現場では、困難を隠蔽するのではなく、困難を顕在化することで、困難に向かえるのだから、ファッシリテートせずに、困難化することが重要なのでは、という考え方。
・コミュニティ・ミュージックというが、野村の場合は、音楽をつくることで、コミュニティもつくられる。あるコミュニティに音楽を投入するのではなく、音楽がコミュニティを生み出すという視点。
・作品の完成度を高めようとすると、どんどん排除しようとする力が働く。排除を続ければ、結局、一人になって、共同作曲する意味がない。では、排除しないことと、作品のクオリティを高めることを、どうやって折り合いをつけるか、という問い。
・ごちゃごちゃしている状態では、他者に伝わらないが、そこで、伝えるために、そぎ落としていく作業は、排除していくことにつながる。そうではなくて、排除せずに、整理する、ということ。

だいたい、こんな感じでした。