野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

疑問をアーカイブする

Asia Pacific Community Music Networkのオンライン会議の2回目に参加。香港出身で現在台湾在住のEricから香港における政治状況の変化とそこでの参加型音楽の活動についての報告があり、雨傘運動のオキュパイ運動で24時間人々が路上を占拠して集っている際に、ただ占拠している以外の動機が見出せない中で、路上で人々の思いを集めて歌をつくるプロジェクトを行い、24時間に合計40曲の歌が路上で共同創作された話が印象深かった。また、オーストラリアのVyvからも、多様性の音楽プロジェクトの報告。分科会でも、コミュニティアートをアーカイブする団体の報告、高齢者のウクレレ活動などなど、5分のプレゼンとQ&Aが次々に繰り広げられた。分科会が終わって、全体のZOOMに戻って油断していたら、司会進行のCCCDのDavidから、ぼくが参加した分科会の報告を求められる。メモとか取ってなかった上に、5つも発表があったから、1つ目、2つ目の概略を告げて、思い出せずに困っていると、印象に残ったことを言えばいいと言われる。あ、それなら話せると、例えば、コミュニティプログラムをアーカイブすると言っても、色々な方法があり得るだろうと想像し、文章で残すにしても、どんな視点で見るか、誰が何を見るかで、全く違う記録になるだろうし、、、。さらには、文章以外でも、様々なメディアで記録できるし。参加する人々が多様であり、違いがあればあるほど、様々な記録の仕方が生まれてくる。そのような感じで、次々に様々な疑問が浮かび上がった。起こった出来事をアーカイブするのも一つの方法だが、そこから芽生えた疑問をアーカイブしていくのも、一つの記録の方法かもしれない。

 

 

先週は、「世界だじゃれ音Line音楽祭」を行っていて、リモートで可能な様々な参加型の音楽プログラムを行った。1週間経って、このリモートでの国際会議に参加してみて、会議として面白い題材を扱っているが、双方向性になるようにファシリテートするのはなかなか難しいのだなぁ。

 

その後、Pete Moserとチャットで相談する。彼も来週以降でZOOMで双方向的にするのにどうしたらいいかと、模索しているようだ。「世界だじゃれ音Line音楽祭」でうまくいった双方向的な音楽活動をAPCMNでも毎回試してみたいとのこと。11月28日の「世界だじゃれ音Line音楽祭」day2に向けて準備すると同時に、来週、再来週のAPCMNに向けても、色々準備していきたい。