野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

千住だじゃれ音楽祭

2011年度から続けている「千住だじゃれ音楽祭」は、ついに7年目。

1年目:風呂フェッショナルなコンサート
2年目:第1回定期演奏会(だじゃれ音楽の集大成)
3年目:国際交流企画(インドネシアとタイの音楽家招聘)
4年目:千住の1010人(1010人で演奏する大規模な野外イベント)
5年目:タイに遠征
6年目:第1回研究大会、インドネシアに遠征
7年目:第2回研究大会、第2回定期演奏会

1年目は、お試しのプレ企画といった感じで、銭湯でのコンサートを実施。2年目は、足立区政80周年を記念する大規模なコンサートを実施。3年目に国際交流企画で、だじゃれ音楽の国際化がテーマになり、4年目に、4年間の集大成とも言える1010人での演奏会を敢行。5年目、6年目は、インドネシアとタイに遠征した。6年目の昨年、市民グループ「だじゃれ音楽研究会」(=だじゃ研)のこれまでの成果を発表する第1回研究大会を行い、今年度は、第2回研究大会と、5年ぶり2度目となる第2回定期演奏会を行おうという目論み。研究大会の方は、これまでの成果を比較的お手軽に体験できる参加型ワークショップ、講座などで構成され、定期演奏会はここ数年の成果の集大成となる大掛かりなコンサートで、ゲストも多数招聘する予定。

ということで、本日は日帰りで東京に行きまして、だじゃ研の人々とブレインストーミングをしたり、即興セッションをしたりしました。最近、だじゃ研がテレビのバラエティ番組に取り上げられたらしく、そうしたことも影響し、新メンバーも二人参加。新しい風も吹いております。

新幹線の車内では、「Beyond Britten -The Composer and the Community」を読んでいたのですが、イギリスというのは、ブリテンよりも前の作曲家、ヴォーン・ウィリアムスがコミュニティ音楽祭を始め、アマチュアの音楽活動を推進し、ホルストも、女性や労働者の音楽教育を推進し、マイケル・ティペットも、失業中の音楽家のためのオーケストラを結成し、さらには、ホルストの娘のイモジェン・ホルストが精力的にコミュニティ・ミュージックの活動をする。イギリスの創造的な音楽教育やコミュニティ・ミュージックの下地は、20世紀初頭からあって、ずっと続いていたのか、とあらためて驚いた。