野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

ゾウカバコさん

仙台のBeIという子どものための創造表現空間をやっている関口怜子さん(通称ゾウカバコさん)を訪ねました。
BeIとは何かは、彼女の「子どものためのワークショップ」という本を読むといいと思いますが、広い意味で美術というかアートのワークショップなのです。つまり、生きること、もっというなら存在することと、表現することは、切り離せないという大前提で、生きること、存在すること、食べること、遊ぶこと、絵を描くこと、体験すること、の場を作っています。

だから、そこではある時は、何かを料理したり、次の時は、絵を描いたり、別の時は、散歩に出かけたり、するわけです。BeIは、「私になる」という意味だそうです。

急に、ゾウカバコさんを訪ねたところ、たまたま食料品の社長さんが米を届けに来て、たまたま、ゾウカバコさんがやった子どものワークショップ(かつおだしと昆布だしを味わう)の画像をスライドショーで見せてくれました。そしたら、何か微かな音量でピアノのBGMがかかっています。そしたら、よく聴くと、ぼくの曲(向井山朋子演奏の「たまごをもって家出する)だったのです。その人は、ぼくが音楽家であることすら知らずに、スライドを見せていて、何となくその曲をBGMにしたそうなのです。こんな風に自分の曲を耳にするとは、あ〜〜びっくりしたけど、うれしい偶然でした。

それにしても、ゾウカバコさんは、とても良いエネルギーを発していました。それは、とても心地よいもので、ぼくはそのエネルギーを浴びながら、おいしい夕食をご馳走になりました。