野村誠の作曲日記

作曲家の日記です。ちなみに、野村誠のホームページは、こちらhttp://www.makotonomura.net/

思い出すこと

石川でゴロゴロ休暇中です。

せっかく石川に来たので、金沢に住んでいる人に連絡。

作曲家の田中吉史さんは都合がつき、会えることになった。
金沢21世紀美術館の以倉新さんは、お昼ご飯を食べる時間もないくらい忙しいらしく、電話で声を聞いた。

田中さんとパートナーの成本理香さん(作曲家)と、陶芸家の米田文ちゃん、林加奈ちゃんと5人で食事。のど黒という魚が本当においしかった。

いろいろ話がはずんで、4時間近く同じお店にいました。

田中さんによれば、作曲しているときの感覚というのは、作っているというよりも、思い出している感じが強いそうです。こんな曲を作ろうと、最初にイメージできたときに頭の中にあった曲を思い出す作業。で、記憶の研究の中には、思い出すという作業は、実は作っているんだ、という考え方があるのだそうです。

帰り道、i-podに98年のオランダ、ミデルブルグでの向井山朋子+大井浩明の録音を見つける。(この時、ぼくの曲と田中さんの曲の両方がオランダ、ベルギーで演奏されたのでした)。田中吉史作曲の「Sniff」という曲を聴く。作曲家と4時間近く一緒に過ごし、大半が雑談なのですが、その作曲家の考えに触れた後、この録音を聴いてみると、同じ曲なのに、以前聴いた時と印象が全然違って聴こえてくるものですね。

米田家に戻った後、田中吉史ホームページの様々なメモを、いくつかをみんなで読んでみる。行かなかった演奏会について、演奏会の様子もよく分かるし、田中さんが何を考えたかもよく分かるし、本当に面白く、米田文ちゃん大絶賛でした。以下のホームページで読めます。

http://homepage3.nifty.com/yostan/